特集「今日から始める脳活習慣」

「あれ、何をしようとしたんだっけ?」なんてことはありませんか?
物忘れは加齢による変化の他、ストレスや寝不足、マルチタスクといった脳の疲労など、様々な要因が関わっています。
物忘れの仕組みや、脳を活性化させるポイントを紹介します。
<この人に聞きました!>
大阪大学名誉教授
苧阪 満里子(おさか まりこ) 先生
大阪大学名誉教授。教育学博士(京都大学)。大阪大学先導的学際研究機構共生知能システム研究センター招へい教授。専門は認知神経心理学。著書に『高齢者の物忘れを測る』(新曜社)、『もの忘れの脳科学』(講談社ブルーバックス)、編著に『ワーキングメモリと人間の知性』(大阪大学出版会)など多数。
大阪大学名誉教授
苧阪 満里子(おさか まりこ) 先生
大阪大学名誉教授。教育学博士(京都大学)。大阪大学先導的学際研究機構共生知能システム研究センター招へい教授。専門は認知神経心理学。著書に『高齢者の物忘れを測る』(新曜社)、『もの忘れの脳科学』(講談社ブルーバックス)、編著に『ワーキングメモリと人間の知性』(大阪大学出版会)など多数。
その物忘れはうっかり?病気?
物忘れが多いと、「もしかして何かの病気?」と不安に感じるかもしれません。若い方でも「さっき言われたことをすぐ忘れてしまう」「相手の名前が出てこない」といった状況に心当たりがある方もいるのではないでしょうか。
物忘れに関わる病気で代表的な「認知症」は、後天的な脳の障害によって認知機能が低下する病気です。その原因は脳に異常なたんぱく質がたまることや、血管の異常など様々です。一方、加齢や一時的なストレスなどによって起こるものは、心配いらない物忘れと考えられます。また、「物忘れの症状はあるが軽度な状態」は、MCI(軽度認知障害)と呼ばれます。MCIの段階で病院を受診することで、早期発見・早期治療につながることがあります。
物忘れを理解して、上手に付き合おう
物忘れのカギは「脳のメモ帳」ワーキングメモリとは?
「記憶力」と聞くと、記憶テストのように「覚えたことを思い出す力」を想像しますが、実生活ではそれだけではありません。例えば「夕飯の材料を覚えてスーパーへ買い物に行く」など、必要な情報を一時的に頭の中に保ちながら行動する働きが重要です。
この働きを担うのが「ワーキングメモリ」です。必要な情報を一時的に保持・操作する機能で、「脳のメモ帳」とも呼ばれています。私たちは日常の様々な場面で、ワーキングメモリを活用しています。物忘れの背景には、このワーキングメモリの働きの低下が関係していると考えられています。
記憶力とともに重要とされる「必要な情報を使う力」
ワーキングメモリを調べる検査の中に、「文章を読み、その文中の下線を引いた単語だけ答える」という課題(リーディングスパンテスト)があります。高齢の方にこの検査を行うと、文章自体は覚えられても「下線を引いた単語だけ答える」ことができず、文章全体を答えてしまう方が少なくありません。加齢による物忘れでも、単純に「記憶力が良い・悪い」という問題だけではないことがわかります。
覚える工夫と休息の確保でワーキングメモリをもっと活用
若い方でもワーキングメモリを十分に活用できていないことがあります。上手に活用するには、まず「覚えるための工夫(方略)」が重要です。
また、「脳を休ませる時間の確保」も大切です。常に頭を働かせるのではなく、適度に休憩を取ってメリハリをつけることで、ワーキングメモリを効率よく使えるようになります。
脳を活性化させるためのポイント
ワーキングメモリの容量自体を増やす方法は確立されていませんが、日頃から脳を適度に使って活性化させることが、その機能の維持につながると考えられています。
例えば「読書」は、文字を追いながら情報の要不要を整理するため、ワーキングメモリをフル活用できる行為です。また、これら3つの習慣を実践する上で、自分の状態を客観的に見つめる「メタ認知能力」も重要です。認知症やMCIでは「自覚がない」ことが特徴的ですが、これはメタ認知能力の低下が一因です。この能力を保つには、人と対面で会話をすることが効果的。客観的な視点に触れることで、「最近忘れっぽいな」「少し休もう」と自分の状態に気づきやすくなります。
そして意外なことに、脳にとっては「忘れる」ことも必要な働きです。不要な情報を適度に忘れる機能が備わっているからこそ、必要な情報を効率よく活用できるのです。
記憶力の低下を過度に恐れる必要はありません。
読書や運動、人との交流を楽しみながら、前向きに脳を活性化させていきましょう。

歩いて、見て、考える。そんな何気ない体験の一つひとつが、脳に心地よい刺激を与えてくれます。いつもの日常を少し飛び出して、新しい景色に出合いに行きましょう。

香りの世界を知って・学んで・楽しもう
伝統的な日本の香りを学ぶことができる小さな博物館。天井から吊り下がる白い箱の中に頭を入れて香りを体感できる「かおりBOX」や、ポンプを押すとラッパから原材料の香りがする「香りの柱」など、一風変わった香りの仕掛けがいっぱい。隣接するお香の老舗・松栄堂京都本店でショッピングも楽しめます。「嗅覚」を通じて、脳に刺激を与えてみませんか。
松栄堂 薫習館
見るたびに発見が生まれる不思議体験
異人館では珍しい、参加型のアミューズメントスポット。ヨーロッパでだまし絵として生まれたトリックアートを展示しています。神戸牛のステーキに潰されそうになる神戸オリジナルシリーズや錯覚・脳のトレーニングなど6つのコーナーがあり、ちょっぴり刺激的な非日常空間が楽しめます。絵の中に上手に入り込んで、驚きと笑いを呼ぶおもしろ写真を撮影してみましょう。
神戸トリックアート・不思議な領事館

コーヒー片手に、楽しく推理タイム
ドリンクを飲みながら謎解きが楽しめるカフェ。予約不要・制限時間なしで、ふらっと立ち寄ることができる気軽な雰囲気が魅力です。宝箱の鍵を開けたり、仕掛けアイテムを駆使したりと、取り扱う謎はすべて完全オリジナル。30〜60分ほどで解けるものをメインにたくさんの謎を取り揃えています。じっくりと頭を使って真相にたどり着く達成感がたまりません。
謎解きカフェ はてな珈琲店 大阪梅田店
バラエティ豊かなボードゲームが遊び放題
現役大学院生が開業したボードゲームカフェ。友達同士はもちろん、一人でも大丈夫。来店客同士で気さくにおしゃべりしながらボードゲームを楽しめます。大人数で盛り上がるゲームだけでなく、1対1の2人対戦や協力ゲームなど多彩なゲームを豊富に揃えているので、老若男女問わず夢中になること間違いなし。ルールを覚えたり作戦を立てたりと、頭の体操にも。
ボードゲームカフェジラフ

楽しみながら体と頭のエクササイズ
約400坪以上の広々としたスペースが自慢のクライミングジム。初心者から上級者まで満足できるよう、様々な壁とコースが用意されています。ボルダリングは全身の筋力をバランスよく鍛えることができるだけでなく、登り方を考え工夫する必要があるため、思考のトレーニングにも。シューズなど必要なもののレンタルもあり、動きやすい服装であれば手ぶらで利用できます。
ディーボルダリング プラスリード なんば
Well TOKK vol.43 2026年10月2日発行時の情報です。
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