特集「“見る”チカラ」

“見る”を知る

10月10日は「目の愛護デー」。
10.10を横にすると、人の目と眉に見えるからだそうです。
人間は情報の約80%を視覚から得ていると言われるように、目は外からの情報を得るための大切な器官。
しかし、近年、パソコンやスマートフォンなどのデジタル機器の長時間使用などが原因で目の疲れを感じる人が多くなり、子どもの視力低下も問題に。
さらに、高齢化により緑内障や白内障、加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)なども増加傾向です。
「目の愛護デー」をきっかけに、目について考えてみませんか?

監修:平田結喜緒ひらたゆきお先生

(公財)兵庫県予防医学協会副会長・健康ライフプラザ健診センター長。前先端医療センター病院長。東京医科歯科大学名誉教授。専門分野は内分泌代謝学、高血圧、分子血管生物学。日本内分泌学会評議員・理事、日本心血管内分泌代謝学会評議員・理事、日本心脈管作動物質学会評議員・理事、日本糖尿病学会評議員、日本高血圧学会評議員などを歴任。

「物を見る」ということ

外からの視覚情報が光として目に入り網膜に投影されると、それが視神経を通って脳の視覚中枢に伝えられ、意味を持った情報となります。これが「見る」ということです。
目や視神経、視覚中枢のどこかでこの視覚情報がうまく伝わらなくなると、物が見えにくくなります。特に子どもは見る能力が発達していないと、就学後に文字が書けない・覚えられない、スポーツが苦手といった学習のつまずきにつながり、集中力や注意力にも大きく影響することになります。

目の構造と働き

年代別・知っておきたい目の病気

<子ども>弱視

生まれたばかりの赤ちゃんの目は明暗がわかる程度です。毎日目を使っているうちに物の形や色が分かるようになり、その後、急速に発達していき、6・7歳頃に大人と同じくらいの視力を持つようになるとされます。
しかし、例えば遠視や乱視、斜視(左右の視線がずれていること)などがあり、視力が発達する時期に適切な視覚刺激を受けることができないと、視力の発達が止まったり遅れたりして「弱視」になります。早期に発見し、眼鏡をかけるなど適切な処置をすれば多くは正常な視力になりますので、3歳児検診で視力検査を必ず受け、それ以降もおかしいなと思ったらすぐに眼科を受診するようにしてください。

子どもの年齢とともに変化する視力

<10代~>ドライアイ

目は表面を覆う涙によって守られていますが、涙の分泌量が減ったり、蒸発したり、成分が変わったりして、目が疲れる・乾く・かすむ・まぶしい、といった慢性的な目の不快感が起こります。これを「ドライアイ」といい、日本には2,200万人の患者がいるとされます。
ドライアイの原因の一つは加齢ですが、長時間のパソコン作業や低湿度・低温のエアコン下での生活、コンタクトレンズの装用、過労やストレス、喫煙、ある種の飲み薬なども、症状を悪化させる原因となります。特に3つの「コン」(パソコン、エアコン、コンタクトレンズ)の使い方を見直しましょう。治療用点眼薬もありますので、眼科医に相談してください。

<40~50代>緑内障

「緑内障」は日本人の失明原因の第1位※で、40歳以上の20人に1人が発症するとの報告もあります。目の中では、房水という液体が循環して眼圧(目の硬さ)を調整していますが、分泌と排出のバランスが崩れて房水が溜まると眼圧が上がり、視神経が圧迫され障害が起こります。しかし、眼圧が正常でも視神経が障害される「正常眼圧緑内障」が半数以上を占めています。
緑内障では多くの場合、見える範囲が狭くなったり、見えないポイント(視野欠損)ができたりしますが、進行が遅く両眼だと良い方の目が他方を補うため、症状が進むまで気がつきません。40歳を過ぎたら定期的に眼科検診を受けることが大切です。治療は眼圧を下げる点眼薬が基本ですが、レーザー治療や手術が必要な場合もあります。
※厚生労働省2017年度研究報告書より

<40~60代>白内障

「白内障」とは、カメラのレンズにあたる水晶体が白く濁る病気です。
水晶体は、主に水分とタンパク質でできており、もともと無色透明ですが、白内障ではタンパク質が変性して透明度が低下します。水晶体が濁ると、光が乱反射するために物がかすんで見えたり、光がまぶしく感じられます。
加齢が主な原因で、40代の約30%、50代の約50%、60代の約70%に見られます。進行を遅くするとされる点眼薬もありますが、治ることはありません。日常生活に不便を感じるようになったら、眼科医とよく相談した上で眼内レンズを用いた手術も検討してみましょう。

<60代>加齢黄斑変性

網膜で視細胞が多く集まる黄斑部に老廃物が溜まって炎症が起こると、新たに血管(新生血管)が作られます。新生血管はもろく破れやすいため、出血やむくみなどで黄斑部の細胞の働きが悪くなり、物が歪んで見える(変視症)、視野の中心が暗くなる・欠ける(中心暗点)、視力が低下するなどの症状が現れるのが「黄斑変性」です。
原因の大半は加齢で、日本では成人の失明原因の第4位※です。治療は新生血管を抑える薬(抗VEGF抗体薬)を眼球内に注射する方法や、レーザー治療を組み合わせる方法などがあります。予防法としては禁煙や紫外線を避ける、バランスの取れた食事を取ることを心掛けましょう。緑黄色野菜に多く含まれるルテインは黄斑部を保護する作用があるとされます。
※厚生労働省2017年度研究報告書より

加齢黄斑変性の見え方例

今回取り上げた目の病気は見つけにくく、いったん悪化すると元に戻らないものも少なくありません。自覚症状がなくても、定期的に眼科検診を受けて早期発見、早期治療を心掛けましょう。

絶景で、スイーツで…目を休めるとっておきの1日を!

目に疲れを感じたら、忙しい日常から少し離れてみては?
景色の良いレストランや、アイケアが受けられるサロン、目に優しいメニューのあるお店で、目にも休息を!

CASABLANCA【兵庫・西宮市】

水平線を眺めながらいただくヘルシーランチ

西宮ビーチリゾートの一角に建つ、地中海料理専門店。テラス席に座り、目の前に広がる水平線を眺めれば、目の疲れも消えていきそう。「ヴィーガンランチ」は、お肉や魚介類、乳製品などを一切使わないヘルシーな一皿。野菜のマリネや香草のコロッケ、3種の豆をナッツ類やスパイスと混ぜペースト状に仕上げた「フムス」など、イスラエルの伝統料理が味わえる。その他、シーフードやバーベキューといった地中海グルメも豊富。色とりどりのドリンクもリゾート気分を盛り上げてくれる。

「ヴィーガンランチ」1,200円
(スープ・ピタパン付き。提供は15:00まで)
「バージンモヒート」(ノンアルコール)900円

阪神本線

CASABLANCA(カサブランカ)

時間
11:00〜21:00(LO20:30)
定休日
木曜休
問い合わせ
080・8808・5376
アクセス
阪神西宮駅→阪神バス・西波止町停下車 徒歩約5分
住所
西宮市西波止町1-2(西宮ビーチリゾートCOMPASS2・3階)
【Google Map】>
URL
https://www.casablanca.blue/
週末のディナータイムを中心にイベント開催の場合あり。最新の予定はインスタグラム(@casablanca_nishinomiya)で確認を。

目の美容院®大阪池田サロン【大阪・池田市】

専門店ならではの目のリラクゼーション体験

阪急池田駅にほど近いアイケア専門店。カウンセリングで、一人ひとりの悩みを丁寧にヒアリング。中医学に基づく施術で、高濃度の酸素を取り入れながら徐々に目の周りの筋肉をほぐしていく。磁気を利用したツボ押しは血行を良くするだけではなく、眼精疲労からくる体の倦怠感を和らげるといった効果も期待できるとか。症状に合わせて4つのコースから選べるので、まずは「アイ・ショートコース」からお試しを。完全予約制なので、他人の目を気にせず、プライベートサロン感覚で利用できるのもうれしい。

「アイ・ショートコース」(35分)3,850円 ※他コースあり。

阪急宝塚線

目の美容院®︎大阪池田サロン

時間
10:00〜18:30
定休日
日曜休 ※不定休あり
問い合わせ
0727・35・7559(要予約。施術中は応答不可の場合あり)
アクセス
阪急池田駅下車 徒歩約2分
住所
池田市満寿美町1-11(エスパシオマスミ 401)
【Google Map】>
URL
https://menobiyouin.com/

Kitchen Snug【大阪・高槻市】

深い自然に包まれる森の中のレストランへ

高槻市北部の摂津峡近くにたたずむカフェレストラン。どの席からも風景を楽しめるようにと、各窓ごとにテーブルが置かれている。秋には赤く色づく紅葉を眺めながら、季節の素材を用いたパスタやピザが味わえる。食材は北摂の農家から仕入れた地野菜などを積極的に使用。グルテンフリーのデザートなど体に優しいメニューもそろう。食事のあとはハンモックやベンチがある裏庭へ。鳥のさえずりや小川の流れる音に耳を傾けつつ、自然の景色を眺めているだけで、きっと目も癒やされるはず。

【写真左】撮影 2018年5〜7月頃
【写真右】「平日ランチセット」1,320円
(火〜金曜のランチのみ。提供は14:30まで)

阪急京都線

Kitchen Snug(キッチン スヌーグ)

時間
11:30〜18:00(金〜日曜は〜22:00)
定休日
月曜休
問い合わせ
072・688・0502
アクセス
阪急高槻市駅→(徒歩約10分のJR高槻駅北停より)市バス・塚脇停下車 徒歩約10分
住所
高槻市塚脇5-2-1
【Google Map】>
URL
https://kitchensnug.com/
ディナータイムは完全予約制。受付はホームページまたは電話にて。

雲ノ茶カフェ KUMONOCHA CAFE 寺町京極店【京都市】

“バタフライピー”のチカラでおいしくアイケア!?

和の趣きとモダンの軽やかさをコンセプトにしたカフェでいただけるのは、抗酸化作用があるとされるアントシアニンを豊富に含むバタフライピーを使ったメニュー。「雲ノラテ」は、茶色とブルーのカラーが印象的な見た目も美しいドリンクで、天然の青い色素が特徴のバタフライミルクはクセが少なく、エスプレッソとも相性が良い。さっくりとなめらかな食感の「雲生チーズケーキ」とのセットが人気。広々とした2階のカフェスペースでいただくのはもちろん、ドリンクのみならテイクアウトも可。

「雲ノセット」980円(雲ノラテはアイス/ホットあり)

阪急京都線

雲ノ茶カフェ KUMONOCHA CAFE 寺町京極店

時間
11:00〜19:00
定休日
不定休
問い合わせ
075・212・0808
アクセス
阪急京都河原町駅下車 徒歩約4分
住所
京都市中京区東側町498
【Google Map】>
URL
https://www.kumonocha.com/
\Check!/ 子どもの弱視見逃していませんか?

弱視の子どもが見ている世界を、色鮮やかな絵と文章で表現した絵本。手掛けたのは大阪府堺市の開業医・井上朱實先生。「子どもの弱視」の早期発見の大切さを広く知ってもらいたいとの思いで出版を決めたそう。小さなお子さんがいらっしゃるご家庭の方はもちろん、たくさんの方に読んでほしい一冊。「Wellness PLUS」では、著者の井上先生のインタビューを掲載中。出版のきっかけや制作秘話など、熱い思いをぜひWebで!

著者の井上先生のインタビュー
「さっちゃんのめがね かたちをみる ちからをそだてる」
1,650円

著者/文・井上朱實、絵・小北美子、監修・川端清司
幻冬舎メディアコンサルティング 刊
◎購入は全国の書店、オンライン書店
(Amazon楽天ブックスe-honhontoなど)で

Well TOKK vol.27 2022年10月4日発行時の情報です。

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