特集「食べ合わせ大研究」

「食べ合わせ」と聞くと、「健康被害を及ぼす食材の組み合わせ」として良くないイメージがあるかもしれません。しかし、組み合わせ次第では食材が持つパワーをより高めることも可能です。「疲労回復」や「貧血予防」など、目的に合わせた「食べ合わせ」をご紹介します。

監修:管理栄養士 荒木一恵さん
(兵庫医科大学病院 臨床栄養部)

疲労回復にはエネルギー源である糖質の代謝を促すビタミンB1が重要です。十分な食事量でも、ビタミンB1が不足していると、うまくエネルギーに変換できず疲れやすくなります。また、ビタミンB1には疲労物質を分解する効果も。水溶性の栄養素ですが、タマネギなどに含まれる抗酸化物質・アリシンと結合して脂溶性に変化すると、調理の過程で失われにくくなり、吸収率アップが期待できます。アリシンは繊維に直角に切ると生成量が多くなるため、ニンニクはすり下ろして、タマネギはみじん切りにして使うと良いでしょう。

食材例
ビタミンB1
・豚肉・ゴマ・大豆・ウナギ
アリシン
・タマネギ・ニンニク・ニラ・ラッキョウ

お店で食べるなら

ロートレシピ 梅田NU茶屋町プラス店

製薬会社がプロデュースするヘルシーカフェ。パイナップルを食べて育った石垣島産アグー豚100%のハンバーグに、有機タマネギをたっぷり25%配合した無添加ドレッシング付きのサラダをチョイスして。

(左)「南ぬ豚の網脂ハンバーグ」 1,680円
(右)「『はじまり屋』玉ねぎドレッシングの
グリーンサラダ」 780円

ロートレシピ 梅田NU茶屋町プラス店 
<阪急各線・阪神本線>
時間
11:00~22:00(21:00LO)
定休日
不定休(NU茶屋町プラスに準ずる)
問い合わせ
06・6131・8071
アクセス
阪急大阪梅田駅下車すぐ、または阪神大阪梅田駅下車 徒歩約9分
住所
大阪市北区茶屋町8-26(NU茶屋町プラス2階)【Google Map】>

腸内環境を整えるには腸内の善玉菌を増やして、うまく育てることがポイント。乳酸菌や納豆菌、麹菌などをはじめとする善玉菌と、善玉菌の餌となる食物繊維を一緒に摂取しましょう。また、食物繊維には有害物質の排出効果や排せつを促す働きもあり、便秘の予防・改善にも役立ちます。おすすめは、善玉菌が豊富なみそや納豆などの発酵食品で、玄米や雑穀米、野菜や海藻類といった食物繊維がたくさん取れる和食中心の食事。ただし、食物繊維の取りすぎにより便通が悪化する場合もあるので注意が必要です。

食材例
善玉菌
・みそ・納豆・ヨーグルト・チーズ
食物繊維
・押麦・モロヘイヤ・サツマイモ・こんにゃく

お店で食べるなら

発酵食cafe fig plate

無添加の発酵調味料を使った料理を提供するカフェでいただけるのは、高野豆腐の入った特製ハンバーグ。麹を混ぜ込み、ソースにも麹甘酒を使用しているので腸には◎。ご飯も白米より食物繊維が豊富な雑穀米なのがうれしい。

「~腸活発酵ランチプレート~
甘酒と高野豆腐のハンバーグプレート」 1,650円

発酵食cafe fig plate(カフェフィグプレート) 
<阪急神戸線>
時間
11:00~15:00(14:30LO)
定休日
月曜・第3火曜休 ※不定休、夏季休業あり(詳細は要お問い合わせ)
問い合わせ
0798・78・6003
アクセス
阪急西宮北口駅下車 徒歩約3分
住所
西宮市甲風園1-12-16(それいゆ甲風園102)【Google Map】>

筋肉や骨、血液などをつくる栄養素として大切なたんぱく質。筋トレに欠かせない栄養素として知られていますが、実は糖質も筋力アップには重要な栄養素。筋トレや運動の重要なエネルギー源となるほか、筋合成をアシストしてくれます。運動後に糖質とたんぱく質を同時に取ることで、筋肉のエネルギー源である筋グリコーゲンが速やかに回復し、筋肉のコンディションを良好に保つことができます。たんぱく質は、卵類・肉類・豆類など、体内で合成することのできない必須アミノ酸をバランスよく取ることができる良質なものを選びましょう。

食材例
糖質
・ご飯・パン・麺
たんぱく質
・卵・鶏むね肉・高野豆腐・カツオ

お店で食べるなら

iro-hanaかふぇ食堂

トライアスロンやマラソンが趣味の店主が作るチキン南蛮は、鶏むね肉を使用し、シンプルなタルタルソースを合わせた高たんぱくな一品。糖質が不足すると、その不足分を補うために体内のたんぱく質がエネルギーとして分解されるため、雑穀米もしっかり食べよう。

iro-hanaバランス定食「チキン南蛮」 1,100円

iro-hana(イロハナ)かふぇ食堂 
<阪急神戸線・阪神本線>
時間
11:00~15:00、18:00~22:00
(LOは各30分前)
定休日
日曜休 ※不定休あり
問い合わせ
078・222・5289
アクセス
阪急神戸三宮駅または阪神神戸三宮駅下車 徒歩約5分
住所
神戸市中央区磯上通6-1-17【Google Map】>

月経などで特に女性が失いやすい鉄分。20~40代の女性の約65%が「貧血(かくれ貧血)」とされています。毎日の食事だけでは不足しがちなので体内への吸収率を意識して、効率的に鉄分を摂取しましょう。ほうれん草などの野菜に含まれる非ヘム鉄より、肉や魚に多く含まれるヘム鉄の方が吸収率が良いとされています。また、緑黄色野菜や果物などに含まれるビタミンCには、鉄の吸収率を高める働きがあるため、サラダなどと一緒に取ると効果的です。緑茶やコーヒーに含まれるタンニンは鉄の吸収を妨げるため、食事の前後は控えましょう。

食材例
鉄分
・豚レバー・ラムもも肉・ひじき・アサリ
ビタミンC
・ピーマン・ブロッコリー・キウイ・スダチ

お店で食べるなら

六甲山ジンギスカンパレス

六甲山名物・ジンギスカン料理の専門店。流通過程で一度も冷凍されていない「生ラム肉」はクセがなく、創業以来受け継がれてきた醤油ベースのタレとの相性は抜群。野菜は肉汁に絡めていただこう。

「厳選生ラムランチ」 2,500円

六甲山ジンギスカンパレス 
<阪急神戸線・阪神本線>
時間
11:00~14:00LO、17:00~20:00LO(土・日曜・祝日は11:00~20:00LO)
定休日
木曜休(7月22日~8月31日は無休)
問い合わせ
078・891・0225
アクセス
阪急六甲駅または阪神御影駅→市バス・六甲ケーブル下停→六甲ケーブル・六甲山上駅→六甲山上バス・六甲ガーデンテラス停下車すぐ
住所
神戸市灘区六甲山町五介山1877-9【Google Map】>

血糖値が高い状態が続くと血管がダメージを受け、糖尿病や動脈硬化などのリスクが高まります。血糖値の上昇を防ぐには、オクラや長芋などの粘性成分を含む食べ物がおすすめ。粘りが胃を守りながら糖分の吸収をゆるやかにしてくれます。水に溶けやすいので、生で食べるかスープにして汁ごと食べましょう。同じく血糖値の上昇を抑制する効果が報告されているレジスタントスターチとは、加熱したご飯やうどんを冷やすことで増加する体内で吸収されにくいでんぷんのこと。粘性成分と一緒に食べることで、より長い時間消化器官にとどまって糖質の吸収をゆるやかにしてくれます。

食材例
粘性成分
・オクラ・長芋・ワカメ・納豆
レジスタントスターチ
・冷やご飯・冷やしうどん・冷めた芋類

お店で食べるなら

Lau’ai

手軽に野菜を取りやすいチョップドサラダ専門店。サラダにはオクラや長芋が入っており粘性成分たっぷり。一緒に食べたいおにぎりは、レジスタントスターチを増やすため、朝に買ってランチで食べるのがおすすめ。

(左)「スパムおにぎり」 350円
(右)「poi-ポイ-納豆オクラのサラダ」 950円

Lau’ai(ラウアイ) <阪急宝塚線>
時間
11:00~19:00 ※変動あり
定休日
月曜休 ※不定休あり
問い合わせ
0797・61・8556
アクセス
阪急宝塚駅下車 徒歩約4分
住所
宝塚市栄町1-6(花のみちセルカ1番館204)【Google Map】>

加齢や不健康な生活によって徐々に血管が硬くなる動脈硬化。脂肪が多い魚に含まれるオメガ3系脂肪酸には、血管を柔らかくする働きがありますが、体内で作り出すことができない脂質のため、食品から取る必要が。調理の過程で脂が落ちないよう、魚は刺し身や煮物にして食べるのがおすすめです。また、大豆製品に含まれる大豆サポニンにはコレステロールを減らすほか、抗酸化作用で血管の老化を予防する効果も。魚と一緒に食べることで、血管を健康に保つ効果がさらに期待できます。

食材例
オメガ3系脂肪酸
・サーモン(サケ)・マグロ・アジ・スズキ
大豆サポニン
・油揚げ・高野豆腐・おから・豆乳

お店で食べるなら

えい参

脂がのったサーモンはオメガ3系脂肪酸がたっぷり。せいろ蒸しには小芋、アヒージョにはキャベツやキノコ類など、産地にこだわった野菜もいただける。

(左)「生湯葉のせいろ蒸し」 968円
(右)「サーモンといくらのアヒージョ」1,320円

えい参 <阪急京都線>
時間
11:30~14:00、17:00~22:30(LOは各30分前)
問い合わせ
072・662・0533
アクセス
阪急高槻市駅下車すぐ
住所
高槻市城北町2-5-12【Google Map】>

Well TOKK vol.30 2023年7月4日発行時の情報です。

<参考文献>厚生労働省「平成21年国民健康・栄養調査」
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