wellness講座「脳の健康診断 脳ドックへ行こう」

脳の病気で多いのが、脳梗塞(こうそく)や脳出血、くも膜下出血といった脳卒中。
その予防策として脳ドックを受診できる医療機関が増えつつあります。
脳ドックとはどのようなものなのか、兵庫医科大学病院 放射線医療センター 画像診断部長 石藏礼一先生にうかがいました。

兵庫医科大学病院に併設された兵庫医科大学 健康医学クリニックは脳ドックを実施する医療機関の一つ。同大学病院と連携し、病気の予防と早期発見・早期治療に力を注いでいます。

脳の健康診断 脳ドックへ行こう

Q.脳ドックではどのような検査をするのですか?

脳ドックとは、無症状の方を対象に、脳や脳の血管の状態を調べるものです。磁気を利用して脳内を画像化するMRI装置で、脳の断面を見る「頭部MRI」と、脳の血管を見る「頭部MRA」の2種類の検査を行います。施設によっては、首のエコー検査やMRAを実施しているところもあります。MRI装置で得た画像から、血管の狭まりや腫瘍(しゅよう)、くも膜下出血などを引き起こす動脈にできるこぶ・動脈瘤(りゅう)などがないかを探します。特に動脈瘤には注意が必要で、大きさやできる場所にもよりますが、破裂すると命の危険にさらされてしまう病気です。当院では高画質の3テスラMRI装置を使っているため、血管壁の不整や狭まりのほか、小さな動脈瘤まで見つけることができます。

主な検査項目

頭部MRI
脳梗塞などの脳血管障害や脳腫瘍、脳の炎症がないかなどを調べます。

頭部MRA
脳内の動脈が狭まったり詰まったりしていないか、動脈瘤の有無などを調べます。

頸部エコー
頸動脈が狭まったり詰まったりしていないか、血管内にコレステロールの塊がないかなどを調べます。

※脳ドックの検査項目や流れは医療機関によって異なります。
※頸部エコーは同院実施の脳ドックには含まれません。
※CT装置(X線照射で脳の断面を画像化する)で検査を実施する医療機関もあります。

Q.脳ドックの流れを教えてください。

当院では血圧測定から始まり、心電図検査の後、MRI・MRA検査を行います。MRI・MRA検査は15~20分間、筒状の装置の中で横になるだけです。
検査をしているその場で画像診断医が診断し、異常があればすぐに検診医に連絡するので、うまくいけばその日中に専門診療科の受診も可能です。

兵庫医科大学 健康医学クリニックの検査の流れ

血圧測定、血液検査 
高血圧や脂質異常などがないか調べます。
  ↓
身体計測 
肥満になっていないかなどを調べます。
  ↓
安静心電図検査、血圧脈波検査 
不整脈がないかなどを調べます。
  ↓
頭部MRI・MRA検査 
MRI装置で6種類の画像を撮ります。

Q.どんな人が受けるべきですか?

中高年以上の方、脳卒中の家族歴がある方、高血圧や肥満、喫煙習慣がある方はぜひ受診を。ただし、ペースメーカーや人工内耳、体内金属を入れている方、妊娠の可能性のある方や妊娠初期の方、閉所恐怖症の方は受診できないことがあるので、当院までお問い合わせください。脳は部位ごとに機能があるので、特に早期発見・早期治療が大切です。例えば脳腫瘍が大きくなると全て摘出できないことがありますし、完全に取ろうとすればマヒや意識障害など後遺症が現れる可能性もあるからです。健康維持のために、気になる方はぜひ受診しましょう。

阪急・阪神沿線で脳ドックが受けられるのはココ!

兵庫医科大学 健康医学クリニック

最新のMRI装置で、的確な診断を提供します。

問い合わせ
0120・682・701
アクセス
阪神武庫川駅下車 西へ400m【Google Map】>
URL
https://www.hyo-med-kenshin.com/
関西労働保健協会
千里LC健診センター

50歳以上の方を対象に脳萎縮度測定や認知機能検査も実施しています。

問い合わせ
06・6873・2210
アクセス
阪急・阪神梅田駅から地下鉄のりつぎ千里中央駅下車すぐ【Google Map】>
健昌会 福島健康管理センター

閉所恐怖症の方でも比較的安心して検査できる機器を使用。

問い合わせ
06・6441・6848
アクセス
阪神野田駅下車 南東へ600m【Google Map】>
URL
https://www.i-kenshokai.or.jp/facility/fukushima
七条武田クリニック

短時間で手軽に受診できる「脳ドッククイックコース」が人気。

問い合わせ
0120・792・058
アクセス
阪急西院駅下車 南へ1.8km【Google Map】>
URL
https://www.nanajotakeda.jp/

Well TOKK vol.4 2017年1月10日発行時の情報です。