特集「色と香りに癒やされて 季節の花めぐり」

阪急・阪神沿線の名所で見頃を迎える春の花々。華麗な咲き姿を愛(め)でながら、春の散策を楽しもう。

うららかな日差しが心地良い季節になりました。野山では冬の寒さに耐えた草木が一斉に芽吹き、色とりどりの花が咲き始めています。花の香りに誘われて、お花見にでかける方も多いのではないでしょうか。
「春遊(しゅんゆう)」という季語があるように、春は楽しいもの。その一方で、春のもの悲しさを「春愁(しゅんしゅう)」と表現することもあります。気温の変化や生活環境の変化によって自律神経のバランスが乱れやすく、体調を崩す人も多いのです。ストレスを緩和し、自律神経を整えるには、ウオーキングなどの運動がおすすめです。花の香りを楽しみながら自然の中を歩けば、きっと心と体が前向きになるはずです。日々の健康維持につながるように、季節の移り変わりを存分に楽しみましょう。
監修:中尾一和先生
(京都大学メディカルイノベーションセンター 特任教授)

湿地に美しく広がる高山植物の群生
【六甲高山植物園】

六甲山上駅との往復と園内回遊全行程(目安) ※六甲山上バスを利用しない場合
徒歩約1時間20分/約5.5km/約7,860歩/消費カロリー:約250kcal

クリンソウ▶︎ 見頃:5月中旬~下旬
他、チングルマ、クロユリ、コマクサ

輪状の花が重なって咲く姿が、仏塔の先端にある九輪を思わせることから名付けられた。約300平方メートルの湿地に約5,000株が咲き誇り、鮮やかなピンク色の花とグリーンのコントラストが美しい。

4月下旬~5月中旬が見頃のチングルマ
六甲高山植物園 <阪急神戸線・阪神本線>
料金
大人(中学生以上)620円、小人(4歳~小学生)310円、3歳以下無料
時間
10:00~17:00(入園は~16:30)
定休日
無休
問い合わせ
078・891・1247
アクセス
六甲山上バス利用の場合:阪急六甲駅、阪神御影駅から市バス・六甲ケーブル・六甲山上バスのりつぎ高山植物園停下車すぐ
【Google Map】>
URL
https://www.rokkosan.com/hana/

「クリンソウコンサート」5月20・21・27・28日 11:30~、13:30~、15:00~(各回30分程度)

六甲高山植物園の立ち寄りスポット
美しい音色と共に楽しむ四季折々の花
【六甲オルゴールミュージアム】

19世紀後半から20世紀初頭に活躍したアンティークオルゴールなどの自動演奏楽器を展示するミュージアム。毎日コンサートが開かれ、所蔵品の貴重な音色を鑑賞できる。庭には約300種類の四季折々の花や草木が植えられており、春から初夏にかけてはスイセン(5月)やオオデマリ(6月)、ユリ(7月)などが咲き誇る。

仕組みや歴史についてのお話も

a. 六甲山の自然の中にたたずむ洋館
b. 季節の花で飾られた展示室 ※写真はイメージ。

六甲オルゴールミュージアム <阪急神戸線・阪神本線>
料金
大人(中学生以上) 1,030円、小人(4歳~小学生) 510円(2施設共通券〈六甲オルゴールミュージアム+六甲高山植物園〉大人1,230円、小人620円)
時間
10:00~17:00(4月29・30日、5月3~6日は~17:40。いずれの日程も入館は閉館の40分前まで)
定休日
9月6日まで無休
問い合わせ
078・891・1284
アクセス
阪急六甲駅、阪神御影駅から市バス・六甲ケーブル・六甲山上バスのりつぎオルゴールミュージアム前停下車すぐ
【Google Map】>
URL
https://www.rokkosan.com/museum/

「オルゴール・コンサート~花と香りに包まれて~」
5月12日~7月6日10:30~16:30の毎時30分から(各回15分程度)
季節の花々で彩るコンサート展示室を会場に、アンティークオルゴールなどの自動演奏楽器で、花にちなんだ曲やクラシックの名曲を演奏。

開園50周年を迎える庭園が花ざかり
【神戸市立須磨離宮公園】

月見山駅との往復と園内回遊全行程(目安)
徒歩約50分/約3.4km/約4,860歩/消費カロリー:約160kcal

リキュウバイ▶︎ 見頃:4月上旬~中旬
他、チューリップ、ボタン、バラ

春はボタンやバラなどが花のリレーのように次々と開花し、甘い香りでいっぱいに。植物園内にある和庭園ではリキュウバイが白い清楚(せいそ)な花をつけ、凛(りん)とした姿で出迎えてくれる。

神戸市立須磨離宮公園 <阪急神戸線・阪神本線>
料金
大人(15歳以上)400円、小中生200円
時間
9:00~17:00(5月20・21日は~20:00。入園は閉園の30分前まで)
定休日
木曜休(祝日の場合は開園、翌日休。ただし5月3〜7日は無休。5月25日は臨時開園)
問い合わせ
078・732・6688
アクセス
神戸高速線を経由し山陽電車月見山駅下車 北西へ600m
【Google Map】>
URL
https://www.kobe-park.or.jp/rikyu/

「フラワーフェスティバル」4月10日~5月7日
「春のローズフェスティバル2017」5月13~28日

神戸市立須磨離宮公園の立ち寄りスポット
華やかな洋館で極上フレンチを堪能
【邸宅レストラン ル・アン】

兵庫県の重要文化財にも指定された大正8(1919)年築の洋館を当時の面影をそのままにリノベートしたフレンチレストラン。四季折々のお料理を表現したランチコース「テジュネA」には、旬の野菜を中心に春ならではの彩り豊かな食材が勢ぞろい。大正ロマンあふれる空間で、シェフ渾身のコース料理を思う存分楽しんで。

a.「テジュネA」3,996円(サービス料10%別途要)の前菜 ※写真はイメージ。
b. アール・ヌーヴォーの飾り窓が美しいダイニング
c. 石段に暖炉が組み込まれた、贅を尽くしたエントランス

邸宅レストラン ル・アン <阪急神戸線・阪神本線>
時間
ランチ11:30~14:00LO、ディナー17:30~21:00LO
定休日
火曜休(祝日の場合は営業)
問い合わせ
078・739・7600
アクセス
神戸高速線を経由し山陽電車月見山駅下車 北西へ800m
【Google Map】>
URL
https://www.vizcaya.jp/restaurant/

斜面に広がる約1万株の芝桜
【仁川百合野町地区地すべり資料館周辺】

仁川駅と地すべり資料館の往復全行程(目安)
徒歩約45分/約3.2km/約4,570歩/消費カロリー:約140kcal

芝桜▶︎ 見頃:4月上旬~中旬
他、ツツジ、アジサイ

阪神・淡路大震災による地滑り跡の斜面を、濃いピンク、紫がかったピンク、白の芝桜が覆い尽くす。約100メートルにわたって続く花壇は見応え十分。5月になればキリシマツツジやアジサイも見頃に。

仁川百合野町にがわゆりのちょう地区地すべり資料館周辺 <阪急神戸線>
観覧自由
問い合わせ
0798・51・5904(10:00~16:00、月・木曜は休)
アクセス
阪急仁川駅下車 西へ1.6km
【Google Map】>
URL
https://web.pref.hyogo.lg.jp/hsk06/hs04_1_000000023.html

風情ある日本庭園を3種のツツジが彩る
【神戸市立相楽園】

元町駅との往復と園内回遊全行程(目安)
徒歩約25分/約1.7km/約2,430歩/消費カロリー:約80kcal

ツツジ▶︎ 見頃:4月下旬~5月上旬

園内では白いつぼ型の小花が可愛いドウダンツツジに、大輪のヒラドツツジ、遅咲きのサツキツツジが順々に花開く。見頃の時期には「つつじ遊山」と題して、コンサートやお茶席(400円、各日共先着100名)を開催。

神戸市立相楽園そうらくえん <阪神本線・阪急神戸線>
料金
大人(15歳以上)300円、小中生150円
時間
9:00~17:00(入園は~16:30)
定休日
木曜休(祝日の場合は開園、翌日休。ただし4月22日~5月7日は無休)
問い合わせ
078・351・5155
アクセス
阪神元町駅下車 北西へ600m、または神戸高速線・花隈駅下車 北東へ800m
【Google Map】>
URL
http://www.sorakuen.com/

「つつじ遊山」4月22日~5月7日

満開の菜の花を眺めながら空中散歩
【妙見の森リフト】

黒川駅とふれあい広場駅の往復全行程(目安)※妙見の森ケーブルを利用しない場合
徒歩約1時間15分/約3.8km/約5,430歩/消費カロリー:約240kcal

菜の花▶︎ 見頃:4月下旬~5月上旬
他、桜

豊かな自然の中を行くリフトの下では菜の花が一斉に咲き、鮮やかな黄色のカーペットを作り出す。爽(さわ)やかな山風を感じつつ、花に集まるチョウの気分で約12分間のリフトの旅を楽しもう。

妙見みょうけんの森リフト <能勢電鉄>
料金
【妙見の森リフト】片道大人350円、小児180円(往復の場合は大人690円、小児350円)
時間
9:20~16:30
問い合わせ
072・738・2392(妙見の森ケーブル・ケーブル山上駅)
アクセス
妙見の森ケーブルを利用の場合:阪急川西能勢口駅から能勢電鉄のりかえ妙見口駅下車後、阪急バス(または徒歩)、妙見の森ケーブルのりつぎケーブル山上駅下車 東へ200m
【Google Map】>
URL
https://noseden.hankyu.co.jp/railway/lift.html

歴史を刻む藤棚を探して街歩き
【のだふじ巡り2017】

4月20日(木)~27日(木) ※藤の見頃
「のだふじウォッチングスタンプラリー」の全行程(目安)
徒歩約1時間/約4km/約5,710歩/消費カロリー:約190kcal

藤▶︎ 見頃:4月中旬〜下旬

かつては日本の三大名藤の一つとされた「野田の藤」。今も福島区内の約23カ所で、優雅にたたずむ藤の花を観賞できる。地図を片手に藤棚巡りを楽しんだり、スタンプラリーなどのイベントに参加してみるのも◎。

のだふじ巡り2017 <阪神本線>
観覧自由
問い合わせ
06・6464・9923(のだふじ開花情報電話サービス〈自動音声〉)
アクセス
阪神野田駅下車

「のだふじウォッチングスタンプラリー」4月22日9:30~(先着250名)

水辺を彩る艶(あで)やかなカキツバタ
【平安神宮】

河原町駅との往復と境内回遊全行程(目安) ※バスを利用しない場合
徒歩約1時間30分/約5.9km/約8,430歩/消費カロリー:約280kcal

カキツバタ▶︎ 見頃:5月上旬~中旬
他、スイレン、藤

神苑内にある蒼龍(そうりゅう)池の周辺に約1,000株のカキツバタが群生する。その中でひときわ気品を感じさせるのが、白地に紫の模様が入った珍種「折り鶴」(写真上段)。千代紙で折った鶴のような姿から名付けられたそう。

光格天皇も好んだとされる「折り鶴」
飛び石「臥龍橋」の周辺に咲くスイレン
平安神宮 <阪急京都線>
料金
神苑拝観料:一般600円、中学生以下300円
時間
6:00~18:00、神苑8:30~18:00(入園は〜17:30)
問い合わせ
075・761・0221
アクセス
バス利用の場合:阪急河原町駅から市バスのりかえ岡崎公園 美術館・平安神宮前停下車すぐ
【Google Map】>
URL
http://www.heianjingu.or.jp/

境内を飾る黄金色の可憐(かれん)な花
【松尾大社】

松尾大社駅との往復と境内回遊全行程(目安)
徒歩約15分/約1km/約1,430歩/消費カロリー:約50kcal

ヤマブキ▶︎ 見頃:4月中旬~下旬

4月中旬になると境内を流れる一ノ井川の両岸を、満開のヤマブキが黄金色に染め上げる。川に架かる石橋や水車、新緑に映えるヤマブキが作り出す絶景に、魅了される人は多いはず。

松尾大社まつのおたいしゃ <阪急京都線>
料金
境内自由、庭園拝観料:大人500円、中高大生400円、小学生300円
時間
8:30~16:00(日曜・祝日は~16:30)
問い合わせ
075・871・5016
アクセス
阪急松尾大社駅下車すぐ
【Google Map】>

気品あふれる花姿はまさに百花の王
【乙訓寺】

長岡天神駅と乙訓寺の往復全行程(目安) ※バスを利用しない場合
徒歩約45分/約3.2km/約4,570歩/消費カロリー:約140kcal

ボタン▶︎ 見頃:4月下旬

聖徳太子が創建したと言われている古刹(こさつ)では、約30種約2,000株の豪華なボタンが次々と開花。白、ピンク、赤、赤紫のボタンが咲き競った後は、黄色い小ぶりの「ハイヌーン」が見頃を迎える。

乙訓寺おとくにでら <阪急京都線>
料金
大人(高校生以上)500円、中学生以下無料
時間
8:00~17:00(入山は~16:30)
問い合わせ
075・951・5759
アクセス
阪急長岡天神駅下車 北へ1.6km
◎バス利用の場合:阪急長岡天神駅から阪急バスのりかえ薬師堂停下車 東へ400m
【Google Map】>
URL
http://www.eonet.ne.jp/~otokunidera/

乙訓寺の立ち寄りスポット
野菜たっぷりのヘルシーなランチが人気
【槐】

古民家を改装した落ち着きのある店内で、昔ながらのおばんざいや創作料理がいただける。おすすめのランチメニューは、旬の野菜たっぷりのおばんざいを9枚の豆皿に盛りつけた「槐豆皿膳」。和食だけでなく洋食や中華料理の調理方法も取り入れられており、味や食感のバリエーションが豊か。

a.「槐豆皿膳」1,620円
b. 家具や照明にもこだわったくつろぎの空間
c. お店で使っている有田焼の豆皿は店内でも販売

えんじゅ <阪急京都線>
時間
ランチ11:30~14:30(LO14:00。第2・4金曜はおばんざいバイキングのみ)、ディナー18:00~22:00(LO21:30。コース料理を提供、前日までに要予約。月1回アラカルトメニューを提供)
定休日
日曜・第3月曜・祝日は休
問い合わせ
075・921・5273(11:30~14:30のみ受付)
アクセス
阪急西向日駅下車 南へ200m
【Google Map】>
URL
https://enzyu.exblog.jp/

カラフルな花畑を目指してウオーキング
【万博記念公園】

万博記念公園駅との往復と園内回遊全行程(目安)
徒歩約1時間15分/約4.9km/約7,000歩/消費カロリー:約240kcal

チューリップ▶︎ 見頃:4月中旬~下旬
ポピー▶︎ 見頃:4月上旬~5月下旬
他、ネモフィラ、ツツジ、カモミール

園内のあちこちで春の花が満開に。太陽の塔の北西にあるチューリップの花園では約32種約10万本のチューリップが、西の端にある花の丘では約38万本ものアイスランドポピーが一面を埋め尽くす。花畑めぐりを思う存分満喫して。

万博記念公園 <阪急京都線>
料金
自然文化園(日本庭園含む):大人250円、小中生70円
時間
9:30~17:00(入園は~16:30)
定休日
水曜休(祝日の場合は開園、翌日休。ただし~5月7日は無休)
問い合わせ
06・6877・7387
アクセス
阪急山田・南茨木・蛍池各駅から大阪モノレールのりかえ万博記念公園駅下車 北へ800m
【Google Map】>
URL
https://www.expo70-park.jp/

「万博記念公園 チューリップフェスタ」4月8~30日9:30~17:00
「万博記念公園 ポピーフェア」4月8日~5月7日9:30~17:00

\ Healthy Column /

健康な体と心に導く植物のパワー

花の色は美しいだけではありません。色は私たちの体や心に様々な影響を及ぼすと言われています。例えば、赤や黄色の暖色系は活動を促す交感神経を活性化し、青や紫色の寒色系は体を休ませる副交感神経を刺激します。こうした色の働きは、医療現場で活用され始めており、免疫力の増加や痛みの鎮静化などで効果を上げているようです。
植物に関わる療法で言えば、様々な病院や福祉施設で、植物を育てたり、自然と交わることで病気などの治療に役立てる園芸療法が実施されています。脳梗塞(のうこうそく)や認知症などの脳に障害がある人が、花の匂いをかいだり花を見たりした後、機能低下していた脳細胞が活性化されることが報告されています。また、植物を育てる時は屋外で水を撒(ま)いたり雑草を取ったりと、自然と指先を細かく動かすことなどが良い運動にもなるでしょう。人は春を迎えると活動的になります。まずは、身近な花の名所などへでかけるところから始めてみてはどうでしょう。

監修:中尾一和先生(京都大学メディカルイノベーションセンター 特任教授)

Well TOKK vol.5 2017年4月3日発行時の情報です。

  • ※写真は2016年以前のものです。

  • ※花の見頃は、誌面で紹介している寺社・施設での見頃です。一般的な見頃と異なる場合があります。また、気象条件や場所によっても異なりますので、事前にご確認のうえおでかけください。

  • ※掲載の施設の営業時間や定休日、イベント情報などは、予告なく変更される場合がありますので、ご了承ください。

  • ※記載の価格には消費税が含まれています。

  • ※本特集ページ内の消費カロリーは体重60kg(歩幅70cm)の人が、分速67m(時速4km)で平地を移動した場合の距離、歩数を基準として算出しています(妙見の森は時速3kmで算出)。
    [計算式]消費カロリー(kcal)=メッツ値×体重(kg)×運動時間(時)×1.05 歩数=距離(m)÷歩幅(0.7m)

  • ※距離はgoogle map平地ルートでの計算。

  • ※メッツ値は運動によるエネルギー消費量が、安静時の何倍にあたるかを示す値。厚生労働省「健康づくりのための身体活動基準2013」を参照。