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wellness講座「認知症への理解と心がまえ」
誰もがなりうる脳の病気「認知症」。症状への理解を深めるためにはどうしたら良いのでしょうか? 日頃の心がまえや家庭での対応について、いきいきライフ阪急阪神の石村康二郎さんに伺いました。
この人に聞きました
いきいきライフ阪急阪神
認知症サポーター養成講座
キャラバン・メイト石村康二郎さん
認知症について正しく理解し、認知症の人や家族を見守り支援する「応援者」のこと。
家庭でできること
認知症の方によくある出来事を、悪い対応例、良い対応例と共にご紹介します。
[エピソード]
いつもかけている眼鏡をどこに置いたのか忘れてしまったAさん。
家族に置き場所を何度も尋ねますが…。
相手が話しかけてきているのに無視をしたり、「自分で探して」と、いい加減な対応をしたりする。
「いつものところは?」と、自分で思い出せるような声かけをしたり、一緒に探してあげたりする。
物を置いた場所が分からなくなると、不安な気持ちやイライラした気持ちになることがあります。このようなときは、忘れていることを怒ったりせずに、本人が安心できるような声かけが大切です。
認知症の方との接し方~日常で気をつけること~
ポイント1余裕をもって対応する
こちらが困惑や焦りを感じていると、相手にも伝わって動揺させてしまいます。認知症の方と接するときは、自然な笑顔で応じましょう。
ポイント2声をかけるときは驚かせない
声をかける場合は、複数で取り囲むと恐怖心をあおりやすいので、できるだけ1人で声かけしましょう。背後から声をかけるなど、唐突な声かけをしないよう気をつけて。
ポイント3ゆっくり話を聞く
認知症の方は急かされることや、同時に複数の問いに答えることが苦手です。相手の言葉をゆっくり聞き、何がしたいのかを相手の反応を伺いながら確認していきましょう。
ポイント4優しい笑顔、おだやかな口調で話す
高齢者の場合は耳が聞こえにくい方が多いので、ゆっくり、分かりやすく話すようにしましょう。相手と目線を合わせて優しい表情で対応することも大切です。
知っておきたい!認知症患者の家族の気持ち
戸惑いや否定の気持ちが表われる
認知症によって、それまでできていたことができなくなっていくと、家族もそれを受け入れられず、戸惑いを感じます。また、認知症だと頭で理解していても、症状が出ていること自体を否定しようとすることもあります。
戸惑いや否定は、認知症患者の家族に訪れる最初の気持ちです。家族が認知症になったという事実を受け入れられるようになるには、長い時間がかかるため、介護をしている人の気持ちを理解してあげることが重要です。
ゆとりがなくなり追い詰められる
同じことを何度も言われたり、道に迷った本人を探しに行ったりするなど、認知症の症状に振り回され、不安やストレスを抱えます。「こんなに頑張っているのに…」と、苦労しても理解してもらえないことに対して腹立たしく思い、自分を責めてしまうこともあります。
介護で悩んでいる人がいたら、話を聞いてあげたり相談できる機関を教えたりするなど、周りの支えやちょっとした一言が大切です。認知症を理解していれば、気持ちも次第に「なるようにしかならない」と変化していき、認知症の方のあるがままを受け入れられるようになります。
Well TOKK vol.11 2018年10月2日発行時の情報です。