特集「ほっとひといき和みの日本茶」

日本茶の魅力

日本茶とは?

平安時代に唐から伝わったとされる日本のお茶文化。国内で生産されている「日本茶」のほとんどが「緑茶」で、茶葉を摘み取った直後に発酵を止める「不発酵茶」の総称。栽培方法や摘採(てきさい)などの違いで、呼び名や味わいの異なるお茶になり、煎茶、ほうじ茶なども緑茶の一種。淹(い)れるお湯の最適温度は種類により差はあるが、50〜80度とされている。

お茶の驚くべき力!

昔は薬として飲まれていたように、日本茶にはいろいろな成分が含まれている。脳を活性化し、リラックス効果をもたらすテアニンや腸の働きを整えるカテキン、さらに、覚醒作用や利尿作用のあるカフェイン、美肌維持や抗酸化作用のあるビタミンCなど。日本茶に対する様々な研究も行われており、健康効果への期待が高まっている。

代表的な日本茶

a. 煎茶
日本茶の代表で、最も一般的なお茶。流通量の約85%を占める。淹れると澄んだ山吹色で、爽やかな香りとすっきりとした味わいは、どのような食事にも合わせやすい。

b. 玉露
畑に覆いをして太陽の光を遮ることでうまみを蓄える玉露は、日本茶の最高峰とも言われている。まろやかな味と甘み、余韻の残るうまみが特徴。ゆっくり香りと味を楽しもう。

c. ほうじ茶
煎茶、茎茶などを高温で炒って、香ばしさを引き出したもの。渋みや苦みが少なくさっぱりとした味わい。煎ることでカフェインが飛ぶため、寝る前にもおすすめ。

d. 茎茶
煎茶や玉露の仕上げ加工工程で、新芽の茎だけを抽出。爽やかな香りと独特なうまみがある。70〜80度のお湯で淹れるのがベストだが、熱湯で出しても渋みや苦みが少ない。

e. 抹茶
茶葉を乾燥させ、茎や葉脈などを除いた碾(てん)茶を、石臼で細かく挽(ひ)いた粉状のお茶。アミノ酸が豊富で、栄養素を丸ごといただけるのがうれしい。

教えてくれたのは
みどり園 代表取締役
佐野文彦さん

100年を越える歴史を持つ日本茶専門店の3代目。生産地の選定から、茶畑への視察、茶葉の焙煎を担う。講習会なども行い、様々な人にお茶の魅力を伝えようと日々、奮闘中。

阪急・阪神沿線 おすすめ日本茶スポット

日本茶を味わえる店や茶葉、グッズを買える店など、お茶を楽しむのにぴったりのスポットをご紹介。好みの一品を見つけにでかけよう。

お茶の魅力や自分で淹れる楽しみを専門店で知る
【みどり園 本店】

創業明治35(1902)年の日本茶専門店。店主自ら全国の生産地を巡って仕入れる、産地銘茶を販売。気になる茶葉は、全て無料で試飲が可能というのもうれしい。併設の喫茶室では、同店のお茶を使用した自家製スイーツが味わえる。ほかにも、茶器の販売や茶道教室、お茶の講習会などが行われており、日本茶の奥深さや魅力を発信している。

「お茶塾」 1,000円~ ※要予約
玉露や煎茶など、日本茶それぞれの魅力を伝えることはもちろん、自宅でおいしいお茶を楽しんでもらえるようにと、受講者の生活スタイルをヒアリングしながら行う。普段なにげなく淹れているお茶が、さらにおいしくなるコツを学ぼう。

a. 本格的な茶碗や茶器、茶筅(ちゃせん)などの茶道具も幅広く取りそろえる。
b. 季節の花をモチーフにした練り切りが付く「煎茶セット」540円。煎茶は3煎目までいただける。

みどり園 本店 <阪急神戸線>
時間
10:00〜18:00、喫茶13:00〜18:00(土・日曜・祝日は11:00~。LO17:30)
定休日
木曜休
問い合わせ
072・772・5339
アクセス
阪急伊丹駅下車すぐ
住所
兵庫県伊丹市西台1丁目8-3【Google Map】>
URL
http://itami-midorien.com/

坪庭が見える町屋で茶の葉づくしの一服を
錦一葉にしきいちは

京の台所「錦市場」にある茶寮。町屋を生かした落ち着いた雰囲気の店内では、抹茶を用いた甘味や料理がいただける。こだわりは、全てのメニューに宇治茶を使用していること。風味豊かな「宇治茶ポップコーン」や果物、お菓子を濃厚な抹茶ソースで味わう「錦一葉フォンデュ」など、新感覚のスイーツも豊富。

「京生麩 抹茶そば」 950円
抹茶の風味をしっかり堪能できるようにと、苦味が強めの宇治抹茶がそばに練り込まれている。もちもちした生麩や、甘辛く炊かれたお揚げがトッピングされ、京都ならではの食材も楽しめる一品。

a. 店頭ではソフトクリームやフォンデュのテイクアウトもできる。
b. 京都らしい坪庭が印象的な店内。

錦一葉にしきいちは <阪急京都線>
時間
10:00〜18:00(LO17:30)
定休日
無休
問い合わせ
075・253・1118
アクセス
阪急河原町駅下車 北西へ400m
住所
京都府京都市中京区 西入鍛治屋町 210【Google Map】>
URL
https://nishiki-ichiha.com/

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京都由来の抹茶を香りで楽しむ
【日本最古の御香調進所おんこうちょうしんじょ 薫玉堂くんぎょくどう

創業420余年の香専門の老舗(しにせ)。日本最古の御香調進所として、原料の調達から製造までを一貫して手がける。香木や線香のほか、同店ならではの伝統の香りを大切に、現代の生活に溶け込む新たな香りを提案する新ブランドも展開。京都由来の香りを表現した線香や香袋をはじめ、香炉や香立という香りを楽しむアイテムがそろう。

①「線香 宇治の抹茶」 1,620円
②「香袋 宇治の抹茶」 864円

伝統の調香レシピと現代らしい香りを融合させた商品。宇治抹茶を練り込んだ線香は、フレッシュで奥深い香り。同店オリジナルのお香の香りが詰まった香袋は、クローゼットや鞄に忍ばせ、ほのかな移り香を楽しもう。

a. 京都の香りをイメージして作られた線香は全11種。
b. 香炉をモチーフにして作られたという外観。

日本最古の御香調進所おんこうちょうしんじょ 薫玉堂くんぎょくどう <阪急京都線>
時間
9:00〜17:30
定休日
第1・3日曜休
問い合わせ
075・371・0162
アクセス
阪急大宮駅から市バスのりかえ西本願寺前停下車すぐ
住所
京都府京都市下京区堺町(高倉通)101花屋町下る, 西中筋通【Google Map】>
URL
https://www.kungyokudo.co.jp

心地良い空間で気軽に日本茶を楽しもう
【CHA-salon SAKURA-MOMIJI】

「カジュアルな和」がコンセプトのカフェ。日本茶を使ったスイーツ、かつおと昆布で毎朝出汁(だし)を取るお茶漬けなどを提供。料理は全て店主の手作りで、可能な限り2名で味見をするというこだわりも。煎茶や玉露、抹茶をはじめ日本茶は全部で8種類。好みの器を選んで淹れてもらえるのもうれしい。

「お抹茶(お薄)お茶菓子付き」 750円
店主がたてる抹茶の隣には、その日によって変わるお菓子が。本わらび粉100%のわらびもちは、柔肌のようなみずみずしさの中にも、程良い弾力とコシのある生地で、優しい甘さが抹茶の苦みと好相性。

a. さくら型の器がかわいい「極上ほうじ茶」450円。
b. 和モダンな店内。

CHA-salon SAKURA-MOMIJI <阪急宝塚線・阪急神戸線>
時間
9:00〜18:00(LO17:30)
定休日
水曜休
問い合わせ
0797・98・0998
アクセス
阪急清荒神駅下車 南西へ600m、または阪急宝塚南口駅下車 北東へ800m
住所
兵庫県宝塚市宮の町7-1 宝塚第3ハイツ102号室【Google Map】>
URL
http://sakuramomiji.jp/

日本茶を使ったアレンジドリンクが豊富
【茶カフェ&ダイニング 桜里おうり

昼はカフェ、夜はダイニングとして甘味やオシャレな創作料理が楽しめる。日本茶鑑定士であるオーナーが茶葉を厳選。氷だけでお茶を抽出し、芳醇な香りとうまみを味わえる「氷水出し茶」やロイヤルミルク緑茶、抹茶カクテルなどお茶を使ったアレンジドリンクが多彩。

①「抹茶ビール」 840円
②「焼酎の抹茶割」 950円
③「焼酎の焙じ茶割」 950円

ドリンクには尼崎のお茶屋「甘露園」の茶葉を使い、様々な料理に合うように試行錯誤して作られている。100グラム5,500円の高級抹茶を使用した「抹茶ビール」は、豊かな香りと爽快感が刺激的で同店の一番人気。

a. うまみと甘みが凝縮された「氷水出し茶」700円。
b. 桜が散りばめられた黒い看板が目印。

茶カフェ&ダイニング 桜里おうり <阪神本線>
時間
10:30〜24:00(LO23:00、ドリンクLO23:30)
定休日
日曜休(三連休の場合は最終日が休)
問い合わせ
06・4869・4108
アクセス
阪神尼崎駅下車すぐ
住所
兵庫県尼崎市御園町54 カーム103【Google Map】>
URL
http://www.kanroen.com/cafe_dining.html

ビル丸ごとお茶尽くしで、宇治茶の奥深さを発信
【福寿園 京都本店】

創業220余年の茶舗。福寿園京都本店では、地下1階から地上9階まで、フロアごとにコンセプトの異なるお茶の世界が楽しめる。本格茶室を備えた4階「京の茶庵」や宇治茶スイーツが味わえる2階「京の茶寮」、フレンチレストラン3階「京の茶膳 シェ・ナカノ」も併設。また1階「京の茶舗」では京都本店オリジナルを中心とする宇治茶のギフト、5階「京の茶具」では福寿園オリジナルの茶器や茶道具も販売している。地下1階「京の茶蔵」では、自分好みのお茶を作ることができ、お茶の多彩な味や香りに触れることができる。

趣ある落ち着いた雰囲気の地下1階「京の茶蔵」。

a. 日本茶インストラクターが、約20種類あるお茶の中から好みやイメージに合うお茶を提案。テイスティングをしながら、自分だけのお茶作りを楽しんでみては。「オリジナルブレンドティー」100g3,240円~(予約優先)。
b. ブレンドしたお茶は、茶缶やオリジナルの茶箱に入れることもできる。

福寿園 京都本店 <阪急京都線>
時間
地下1階・1階・5階11:00~19:00(地下1階ブレンド実施時間11:00〜15:00)、2階・4階11:00~19:00(LO18:30)、3階ランチ11:30~15:00(LO14:00)、ディナー17:30~21:30(LO19:30)
定休日
第3水曜休(3階は水曜休)
問い合わせ
075・221・2920(代表)
アクセス
阪急河原町駅下車 西へ400m、または阪急烏丸駅下車 東へ400m
住所
京都府京都市下京区 四条通富小路角【Google Map】>
URL
http://www.fukujuen-kyotohonten.com

日本茶の香りにほっとするひと時を
【日本茶カフェ一日ひとひ

上質な日本茶をゆっくり味わうことが出来る日本茶専門カフェ。店内では風味に特徴のある茶葉を、茶釜で沸騰させた湯で淹れて提供する。常時約10品種の静岡、宇治、九州などの産地から仕入れる茶葉は、ひと口飲むだけで、それぞれ味の違いがはっきり分かる。1煎目香り、2煎目うまみ、3煎目苦みと、風味の変化を楽しみながらほっこりとした時間を過ごそう。

左から、じょうみょう、さやま茶、八女茶、ちらん茶(各570円)

a. 陽光がやさしく差し込む、リラックス感のある店内。
b. お茶は茶釜で充分に沸騰させた湯を淹れて提供。

日本茶カフェ一日ひとひ <阪急神戸線>
時間
11:30~20:00
定休日
毎月最終月曜は休(祝日の場合は営業)
問い合わせ
078・453・3637
アクセス
阪急岡本駅下車 南東へ300m
住所
兵庫県神戸市東灘区本山北町3丁目6-10【Google Map】>
URL
http://www.hitohi.jp

ほうじ茶の新たな魅力を発見できるお菓子屋
【お茶の菓さいさい】

ほうじ茶スイーツの専門店。店内に備えられた焙煎機で煎った茶葉を刻んだものや、パウダー状にしたもの、濃く煮出したエキスなどを使い分けて作られた約15種類のお菓子がそろう。どれもほうじ茶ならではの香りを生かしたものばかり。今までにないほうじ茶の魅力と出合えるはず。

上から右回りで、ほうじ茶カステラ162円、ほうじ茶ラングドシャ270円、ほうじ茶マドレーヌ184円、ほうじ茶小岩303円。

a. 店内には、ほうじ茶の香ばしい香りが漂う。
b. レトロな形が可愛い、ほうじ茶専用の焙煎機。

お茶の菓さいさい <阪急神戸線>
時間
9:30~19:00
定休日
不定休
問い合わせ
0798・31・0345
アクセス
阪急苦楽園口駅下車 西へ1.1km
住所
兵庫県西宮市樋之池町22-2-103【Google Map】>
URL
http://ochasai.jp/

飲むだけじゃない! お茶の楽しみ方

そのまま飲むのも良いけれど、お茶を淹れた後の茶殻を調味料に使ってみたり、香りを楽しんでみたりと、お茶ならではの新たな楽しみ方をご紹介。

a. 飲み方いろいろ
抹茶を冷たい牛乳で溶いた抹茶オーレや、濃い目のほうじ茶を牛乳で溶いたほうじ茶ラテなど、味の濃いお茶は牛乳で溶くのがおすすめ。

b. 調味料として
茶殻を塩やごまと一緒に、水分が飛ぶまで煎ってふりかけに。抹茶と塩を混ぜた抹茶塩もおすすめ。好みの配合で、オリジナルの調味料を作ってみよう。

c. そのまま食べる
茶殻にポン酢や醤油(しょうゆ)をかけてそのまま食べてみても良し。飲み物としてのお茶には含まれない栄養分を茶殻を食べることによって取り入れることができる。

香りを楽しむ
茶香炉を使って緑茶を焚くと、ほうじ茶になる過程の中で、香ばしい香りを楽しめる。茶香炉が無くても、フライパンで茶葉を軽く煎るだけで、アロマ効果が得られる。お茶の葉は消臭効果もあるので、部屋の匂い消しにも最適!

教えてくれたのは
放香堂
富田政樹さん

店頭で接客・販売を担当。お客様に寄り添い、好みや一人ひとりに合うお茶を提供してくれる。お茶の知識も豊富で、おいしいお茶の淹れ方や飲み方、楽しみ方までアドバイスをもらえる。

最高位の茶師が仕上げるお茶の老舗
放香堂ほうこうどう

創業は約180年前の天保年間、栽培から販売までを手がける日本茶専門店。全国茶審査技術十段(最高位)の茶師が仕上げた日本茶をはじめ、約100種類もの茶葉を取りそろえる。おすすめは、香りを楽しむ発酵茶「花かおり・月あかり・ときわすれ(各1,080円)」。茶師のこだわりが詰まった逸品をぜひ堪能して。

放香堂ほうこうどう <阪神本線・阪急神戸線>
時間
10:00〜19:00
定休日
水曜休
問い合わせ
0120・088・450
アクセス
阪神元町駅下車 南西へ300m、または神戸高速線・花隈駅下車 北東へ400m
住所
兵庫県神戸市中央区元町通3丁目10-6【Google Map】>
URL
http://www.hokodo.co.jp/

Well TOKK vol.9 2018年4月3日発行時の情報です。

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