更年期は更新期。長く健康な人生を楽しむための自分でできる潤いケアとは

岸紅子
NPO法人日本ホリスティックビューティ協会代表理事・ウェルネスプロデューサー

更年期のQOL向上のカギとなるのは?

人生のなかで必ず訪れる更年期。
女性では、閉経を迎える前後5年ほどの期間をいい、そのタイミングは個人差があるのが一般的です。

女性ホルモンの分泌を乱す要因が多い現在の日本では、早い人では30代半ばからプレ更年期症状が始まり、長引く人は60代前半まで続くと言われています。

そんな更年期のQOL向上のカギとなるのが”心と体の潤い”です。
実は、プレ更年期から始まり、アフター更年期以降もずっと付き合うことになる確率の高いのが”ドライシンドローム”といわれる症状です。

ドライシンドロームとは、ドライマウス、ドライアイ、ドライスキン、ドライヴァギナ(ドライヴァジャイナ・膣の乾燥)など体の乾燥のこと。自律神経の乱れや女性ホルモンの一種であるエストロゲンの分泌低下によって、粘膜や皮膚のみずみずしさが減り、皮膜が薄くなり、柔軟性が失われ、粘液の分泌量が減り…と乾燥の連鎖が始まります。「最近 肌や髪、目や口が乾くなぁ」と感じ始めたら、より一層自分の変化と向き合いケアしてあげましょう。

一般的に更年期と言われるエストロゲン(女性ホルモン)の分泌低下が起こる年齢は50歳前後ですが、婦人科の先生に話をうかがうと、最近は、20代や30代でもまるで閉経後のような分泌量の方が少なくないそう。どうやら、女性ホルモンの低下による影響を感じる年齢が、年々若年化しているようです。

ドライシンドロームが始まっているかも?

□唾液がねばねばする
□口臭が気になる
□唇や舌がひび割れる
□おせんべいなど乾き物が苦手
□喉が渇いて目が覚める
□頻繁に水を飲まずにいられない
□味がわかりにくい
□口の中がヒリヒリする
□塩分や酸味がしみる
□口内炎ができやすい
□虫歯や歯周病になりやすい

いかがでしょうか?当てはまるものがあればあるほどドライマウスが進んでいるかもしれません。
そして、これらが慢性的なものであれば、体は全部繋がっていますので、1箇所だけが乾く、ということはなく、長期化すれば症状は他の部分の乾きに広がります。

乾いている、ということは、そこに「水分」がなく、「流れ」がありません。
汚れや病原菌を押しやったり、必要なものを取り入れたりすることがしにくいのです。
それだけ防御力がない=弱い、ということ。老化や病気は弱いところから始まります。

だからこそ、潤いを生み出す力を育む必要があります。

ドライシンドロームの原因とされている、薬剤の副作用や、糖尿、甲状腺異常など、疾患を原因とするものはセルフケアの範疇を超えます。が、自律神経や女性ホルモンの乱れ、食生活、生活習慣といった原因に関しては、私たち自身のケアで対処でき、それにより大きく結果が変わります。

心の声を聴いて、自己愛高めが吉!

自律神経や女性ホルモンの乱れを予防したり改善したりするために欠かせないのが心のケアです。なぜなら、粘膜や皮膚の潤いは自律神経と連動している、すなわち心と連動しているからです。物理的なアプローチだけでなく、心理的なアプローチも両輪で行うことで功を奏します。

具体的には、この時期は自己愛高めで行くのが吉、です。
無理をしない、比較しない、気持ちいいことをする、笑えることをする、など、心の声をしっかり聴いてあげましょう!焦らずとも、更年期のゆらぎもいつかは終わります。そして、その先の人生も長いのです。

更年期は更新期。この時期の女性の体は、生殖という役目を手放して、これから先の長く健康な人生を楽しむためのトランスフォームをします。ここでこじれるか否かが幸福度の格差にも繋がります。
そして、物質的で他者的な評価軸から、より本質的で内観的な評価軸に人生そのものの価値観も更新していく時期です。それを楽しむ準備として、このゆらぎがあるのかもしれません。

体と心の潤わせるケアをして、朗らかにトランスフォームしていきましょう!

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