【教えて!沿線のお医者さん!】血糖値が気になる方の食事法と健康レシピ(神戸大学+阪神電車)

高血糖は自覚症状がないため、健康診断で指摘されても対策が難しい人がいるかもしれません。しかし、高血糖状態が続くと糖尿病が進行し、心・脳疾患など合併症のリスクが高まります。そこで、神戸大学医学部附属病院の山本育子先生に、血糖値を食事で管理する秘訣とオススメレシピを伺いました。

※この記事は、阪神電車の沿線情報紙「ホッと!HANSHIN」2024年10月号に掲載された情報であり、掲載時点の情報となります。また、駅名表記について、記事に特段記載がない限り、阪神電車の駅となります。

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https://healthcare.hankyu-hanshin.co.jp/doctor/


<教えてくれた先生はコチラ!>

神戸大学医学部附属病院 栄養管理部
副部長 山本 育子先生
管理栄養士として、1型糖尿病患者を中心に栄養指導や緩和ケアチームでの栄養食事管理を行うほか、大学院で栄養学の講師としても活躍。近年、胎児の病気を招く妊婦の栄養不足の問題について、助産師コースの方を対象とした講義も行っている。

●神戸大学医学部附属病院 高速神戸駅→徒歩約15分
https://www.hosp.kobe-u.ac.jp/


Q 高血糖は食事で改善できる?

正しい食習慣を保つことで高血糖を改善することができます。高血糖を指摘されたら、悪化する前に食事の調節を始めましょう。まず気を付けたいのが食べる順番です。炭水化物は急激に血糖値を上昇させるため、野菜、きのこなどの副菜や主にたんぱく質を含む主菜を先に食べ、炭水化物を多く含む主食は10~15分後に摂るのが理想的です。ゆっくりよく噛むことも血糖値の上昇を抑えるポイント。以下の適正エネルギーを目安に、夜遅い食事は避けることも大切です。

●病気にかかりにくい1日の適正エネルギー(kcal)
目標体重(㎏)[身長(m)²×22]×エネルギー係数[25~30kcal]※

※活動量が軽い労作の場合。普通の活動量なら30~35kcal程度。

Q 高血糖を防ぐ食材やメニューは?

野菜やきのこ、海藻に多く含まれる食物繊維は、食後高血糖を抑える効果があります。こんにゃく米入りご飯(白米:こんにゃく米=2:1)を炊くと、1人分のエネルギー25%カット、食物繊維4倍を効果的に摂取でき、満腹感も持続します。たんぱく質と野菜たっぷりの具だくさん味噌汁と雑穀ご飯(白米:雑穀米=3:1)のセットは、一汁三菜をごく簡単に実現でき、栄養バランスも優れた献立です。また、砂糖を低エネルギー甘味料に置き換えると、血糖値への影響が少なくなります。脂質自体は食後の血糖値を急上昇させることはありませんが、下がるまでに時間がかかります。焼飯やこってりラーメンなど、炭水化物と脂質を組み合わせた食事は、血糖値が上がった状態が続きやすいのでご注意ください。

Q 秋のオススメレシピを教えて!

下記の「黄金の宝煮」(1人分108kcal)は、ふっくら油揚げを割ると具材が飛び出す楽しいメニューです。さつま芋は血糖値を上げやすい食材ですが、食物繊維のひじきやきのこ類と一緒に摂ることでエネルギーを抑えられ、血糖値の上昇も防げます。

 

 

 

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