【阪急京都線】烏丸駅周辺

約400年もの歴史を持つ錦市場と共に発展してきた、阪急烏丸駅の北東エリア。京の台所としてにぎわう錦市場は、全長約390メートルの細い通りの両側に、京野菜や京漬物・豆腐・鮮魚・菓子など約120店が軒を連ねる。

タイムスリップ気分を味わえる古き良き京都のお風呂屋さん
【錦湯】

錦市場のすぐ近くにある、昭和2（1927）年創業の銭湯。籐筵(とうむしろ)が敷かれた脱衣所には、木製のロッカーが並び、天然の素材で編んだ柳行李(やなぎごうり)と呼ばれるカゴや格子状の天井など、随所に京都の銭湯らしさが見られる。お湯は井戸水を使用した肌当たりの優しい軟水で、肌がつっぱりにくいのだそう。音楽ライブや落語会、その他ユニークなイベントも行われる。

どっしりとした風格をたたえる、京町家風の趣のある外観。
昔から錦市場で働く人たちも疲れを癒やしに訪れる。

京生麩の魅力を多彩に発信する老舗（しにせ）
【麩嘉 錦店】

古くから京都御所にも献上していた、錦市場内にある京生麩の専門店。よもぎ麩やあわ麩など約10種類の定番をはじめ、パンプキンやバジリコなどの変わり種、旬の食材を使用した季節限定品など様々な生麩がそろう。生地に麩を練り込んだモチモチ食感が絶品の「鯛焼き麩」は、焼きたての熱々を店頭で味わうのがおすすめ。人気の「麩まんじゅう」は手土産に◎。

創業年は不明ながら、少なくとも今から150年前には都で名の知れた店であった同店。生麩は作り置きができないため、毎朝20人ほどの職人が手作業で作っている。

【阪急宝塚線】石橋阪大前駅周辺

昔から能勢街道と西国街道が交差する地として栄えた阪急石橋阪大前駅周辺は、現在も多くの人が行き交う活気あるエリア。駅前には3つの通りにわたって商店街が広がり、多種多様なお店が数多く並ぶ。

駅前商店街にある天然地下水使用の銭湯
【平和温泉】

現在は3代目店主が番台に座る、昭和レトロ感が人気の銭湯。創業時からあるタイルを生かした浴室デザインや、廃業した銭湯から受け継いだという脱衣所の擦りガラスなど、懐かしさをあちこちに感じられる。天然地下水を利用した軟らかいお湯で、高濃度スチームサウナのほか、電気風呂や微温薬風呂など、種類も豊富。

関西では珍しい、富士山のタイル絵。
2016年の改装時に新設（このタイル絵は男湯。女湯は金魚）。

味わい豊かな和の甘味で気分もほっこり
【御菓子司 松家本舗 がんがら茶屋】

素材そのもののおいしさを生かした体に優しい和菓子を提供する、昭和11（1936）年創業のお店。池田市の夏の風物詩の名を冠した和菓子「がんがら火祭り」は、上品な甘さの生地であんと求肥を包んだ看板商品。古民家風の店内には喫茶スペースを併設。冬は焼きたての「みたらし団子」や、北海大納言小豆を使った「和み（ぜんざい）」をぜひ。

瓦葺屋根に「松家本舗」の歴史ある看板が目印。

昔懐かしいコロッケで心もほくほく！
【スエヒロ家】

昭和10（1935）年以来、世代を超えて愛され続ける精肉店。ショーケースには、ビフカツやメンチカツのほか、4代目店主が考案したハムチーズカツなどの揚げものがずらり。人気の「自家製コロッケ」は、親子3代にわたって買いに来る人もいるという、創業時からのロングセラー。店頭で揚げたてを頬張って！

老舗の専門店だからこそできる品質で、長年地元に愛されるお店。

【阪急神戸線】六甲駅〜【阪神本線】石屋川駅周辺

六甲山系の山々を望む阪急六甲駅から、六甲本通商店街を通って南東方面の海側に向かう阪神石屋川駅付近は、日本有数の酒どころ・灘五郷の一角を担うエリア。このあたりは、銭湯が多いことでも知られ、地元の人や六甲山帰りのハイカーのほか、遠くから足を運ぶ銭湯ファンもいるのだとか。

六甲の井戸水を薪（まき）で沸かす高濃度炭酸泉が人気！
【ふじ温泉】

60年以上の歴史がある、地域に密着した銭湯。昔から変わらず井戸水を薪で沸かした、まろやかなお湯が魅力。複数あるお風呂の中でも、冷えや肩こりなどに効果があるとされる高濃度炭酸泉は、関西では数が少なく、常連客からの人気も高い。ぬるめのお湯にゆっくり浸かって体の芯から温まれば、日頃の疲れが吹き飛びそう。

エステバスやジェットバス、水風呂、スチームサウナがあり、奥の扉の向こうには、岩風呂風のラドン風呂と電気風呂が備え付けられている。

住宅街の真ん中で天然温泉100％掛け流し！
【六甲おとめ塚温泉】

創業約65年で、約20年前から天然温泉を提供。地下800メートルから湧き出る41.6度の温泉は、毎分480リットルという豊富な湯量を誇る。“美人の湯”と名高い、有名温泉と同成分の炭酸水素塩泉は、ほんのり黄緑色で、美肌効果や血行促進、疲労回復などに効果があるのだとか。住宅街にあるとは思えない開放的な空間で、和みのひと時を。

「益荒男（ますらお）の湯」にある、情緒あふれる純和風露天風呂。奇数・偶数日で「神楽（かぐら）の湯」と男女が入れ替わる。

手作りバターサンドを味わう至福の時間
【BonbonROCKett】

毎日、店頭に約20種のフレーバーが並ぶ、バターサンドの専門店。独自の製法で空気を含ませて軽やかに仕上げたバタークリームと、サクサクとしたサブレの食感のハーモニーが絶妙。冬季は濃厚なキャラメルとアーモンドを混ぜ込んだクリームとサブレが相性抜群の「キャラメルアーモンド」が人気。

ここでしか買えない、手作りのオリジナルバターサンドをぜひ。

お風呂上がりの一杯に本格ドリンクを
【KAFFEE FIKA 六甲店】

六甲本通商店街にある、自家焙煎のコーヒー豆販売とドリンクテイクアウトのお店。厳選した高品質のコーヒー豆を使用し、コクや飲みごたえを追求したオリジナルのブレンドにこだわっている。注文ごとに豆をひいてドリップするホットコーヒーのほか、コーヒーの苦みとレモンの酸味が爽やかな「エスプレッソトニック」がおすすめ。

全長約100メートルの間に、約50店舗が軒を連ねる「六甲本通商店街」にある同店。
厳選した生豆を独自にブレンドしたコーヒーが自慢。

【阪神本線】杭瀬駅周辺

阪神杭瀬駅の北側には、6つの商店街と3つの市場があり、下町情緒あふれる街並みが残る。周辺には工場が多く、銭湯が発展。昭和の面影が残るノスタルジックな雰囲気の街を、商店街の隠れた名店や銭湯と共に楽しもう。

約100年前の姿を残すレトロな趣のある銭湯
【第一敷島湯】

大正12（1923）年から100年近くにわたって営業。薪を使った釡焚きを今も続けている。玄関の屋根や風呂場の壁面タイルを使ったモザイク絵は創業時のままのもので、脱衣所や浴槽も50年以上ほぼ変わっていないというから驚き。繊細で鮮やかなタイルの風合いなど、昔ながらの銭湯らしさが至るところに感じられ、その魅力に引き込まれること間違いなし。

今日では珍しい、円形の主浴槽。関西では浴槽が浴場の中央にある銭湯が多く、その周りに座って掛け湯をし、浴槽から湯をくんで体も洗うため、以前はこのような造りが多く見られたのだとか。

風味豊かな天ぷらは食べ応えたっぷり
【尼米かまぼこ店】

約80年にわたって4代続く、地元で愛されるお店。魚のすり身を練り合わせるところから毎朝手作りしている天ぷらは、キクラゲ入りの「白天」やボール状の「ジャガ玉」、おつまみにぴったりの「ピリ辛ゴボウ」など10数種類。その日に店頭に並ぶ分だけを揚げているので、早めの来店がベター。

杭瀬本町商店街にある、手作りかまぼこ店。
製造直売ならではの揚げたてを味わうことができる。

伝統的な和菓子から旬の逸品まで勢ぞろい
【御菓子司 寶屋遊亀】

創業90年を超える、地域に根差した和菓子店。伝統を受け継いだロングセラー商品はもちろん、時代に合わせた新商品など多様なお菓子を取りそろえている。職人によって1枚1枚丹念に手焼きされる名物のどら焼きは、近くの杭瀬熊野神社で祈祷されるありがたい逸品。しっとりとした生地に、北海道産大納言小豆を使った粒あんの食感が絶妙。

素材、製法、手作りにこだわりながら、日々新しいお菓子を作り続ける老舗。

Well TOKK vol.20 2021年1月12日発行時の情報です。

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