春の出会いの季節に、疲れをためない心のセルフケア

春は、新しい人に出会う機会が一気に増える季節です。新しい職場、クラス、プロジェクト、取引先。

出会いそのものはポジティブで、本来は「楽しみ」「前向き」な気持ちで迎えているはずなのに、なぜか少し疲れる。家に帰った瞬間、どっと気が抜ける。
そんな感覚を覚えたことはないでしょうか。

今回のコラムでは、春に感じやすいこの“見えにくい疲れ”が生まれるメカニズムと、日常の中で無理なく取り入れられるセルフケアの方法を、分かりやすくご紹介します。

1.ポジティブな出会いでも、人はストレスを感じる

実は、人は良い変化であっても、「変化」そのものが起きるだけでストレスを感じることが分かっています。

その背景には、人間の脳の仕組みがあります。
私たちの脳は、狩猟採集の時代から基本的な構造がほとんど変わっていません。

人類が長い時間を過ごしてきた狩猟採集の環境では、生き延びるために何より重要だったのは、「危険をいち早く察知し、回避すること」でした。

その名残として、現代の私たちの脳は、
・予測できる状態
・慣れた環境
を「安全」と判断します。

逆に、そこから外れる変化が起きると、無意識のうちに緊張やストレス反応を生じさせます。

だからこそ春は、新しい人との出会いや環境の変化が一度に重なり、ポジティブな出来事が多くても、知らず知らずのうちにストレスが溜まってしまうのです。

ここで、ストレスの豆知識 💡】
「今までと違うこと」が起こるだけで、脳はストレス反応を示します。そのため、新たな出会いに限らず、引っ越しや結婚、昇進など、一見ポジティブに思えるライフステージの変化も、実はストレスの要因になりうることを覚えておきましょう。

2.ストレスを感じる時に、マインドフルネスが役に立つ

ストレスを和らげるのに役立つのが、マインドフルネスです。

マインドフルネスとは、呼吸や体の感覚、今の気持ちなど、「今、この瞬間」に起きていることに意識を向けること。
この習慣を続けることで、不安やストレスを感じやすい脳の部位である扁桃体が、必要以上に反応しにくくなることが分かっています。

また、脳を休ませる効果もあるため、不安を感じたときや、頭が疲れていると感じるときに、こまめに取り入れるのがおすすめです。

まずは、呼吸が出入りする感覚に、そっと意識を向けることから始めてみましょう。

マインドフルネスの基本💡】
1.呼吸に意識を向ける
息を吸って、ゆっくり吐く。
呼吸の感覚を追うことで、注意が自然と「今」に戻ってきます。

2.体の感覚を感じる
足裏が床に触れる感覚、背中が椅子に預けられている感覚など、体に起きている感覚に意識を向けます。

3.感情を評価せず、そのまま眺める
湧いてくる考え、感情を良い悪いと判断せず、「こんなふうに感じているんだな」と、ありのまま受け止めるだけでOK。

このプロセスを繰り返すことで、「今、この瞬間」に意識を向ける力が、少しずつ育っていきます。
はじめての方は、音声ガイドと一緒に行うと、より実践しやすくなります。

▼「心を整える習慣づくり~マインドフルネス瞑想~」
https://healthcare.hankyu-hanshin.co.jp/exercise/mindfulness/

マインドフルネスについては、過去の記事でも詳しくご紹介しています。興味を持たれた方は、ぜひそちらもご覧ください。

▼「誰でも分かるマインドフルネス入門」
https://healthcare.hankyu-hanshin.co.jp/column/51557/

3.人は一生のなかで、何人の人と出会うのか

ここで、ひとつ視点を変えてみましょう。

人が一生のうちに出会う人の数は、およそ2〜3万人程度だと言われています(家族、友人、仕事関係、すれ違う知人も含めて)。
一見多いように思えても、80億人が暮らす地球の中で、実際に出会えるのはその限られた人数です。

この春に出会う人たちも、一生で出会う数万人の中の、一人。

出会いには緊張や不安も伴いますが、今この瞬間にしかない貴重な出会いとして受け取り、丁寧に向き合うことができたなら、人生はより豊かなものになっていくのかもしれません。

4.最後に

新しい関係が生まれる春は、気をつかう場面が多く、心が揺れやすい季節です。
うまく振る舞おうとしたり、期待に応えようとしたり、相手に合わせようとするほど、自分の内側の声は後回しになりがちです。

そんなときこそ大切なのは、ほんの一瞬、立ち止まって今の自分に気づいてあげること。

“速度を上げるばかりが、人生ではない”
ガンディー(政治指導者)

心が少し疲れたと感じたら、まずは深くひと呼吸。それだけで、気持ちは静かに「今」に戻ってきます。
今日のほんの一呼吸を、大切にしてみてください。

 

記事の監修元:Upmindについて

東京大学発。主に175万ダウンロード超の国内最大のマインドフルネスアプリUpmindを開発。マインドフルネスが「科学的に効果が実証されている健康習慣」として広く認知され、日常生活に根づくように研究・普及活動を行っています。また、自律神経を整えるためのセルフケア習慣を、科学的エビデンスに基づいて発信しています。

アプリでは、この記事でご紹介したような簡単な習慣をはじめ、日常の中で自律神経の切り替えをサポートする多くのプログラムを体験いただけます。興味のある方は、ぜひお試しください。

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