【教えて!沿線のお医者さん!】”こわい頭痛”と”こわくない頭痛”(神戸大学+阪神電車)
誰もが体験したことのある「頭痛」。そのほとんどは一次性頭痛と呼ばれる“こわくない頭痛”ですが、頭に原因のある二次性頭痛もあり、その中には命に関わる“こわい頭痛”も存在します。今回は、その“こわい頭痛”と“こわくない頭痛”について、神戸大学医学部附属病院 脳神経外科の木村先生にお話を伺いました。
※この記事は、阪神電車の沿線情報紙「ホッと!HANSHIN」2017年2月号に掲載された情報であり、掲載時点の情報となります。また、駅名表記について、記事に特段記載がない限り、阪神電車の駅となります。
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https://healthcare.hankyu-hanshin.co.jp/doctor/
<教えてくれた先生はコチラ!>
神戸大学医学部附属病院 脳神経外科 医学博士
木村英仁先生
「ふだん頭痛に慣れてしまっているからこそ、ちょっとでも「いつもと違うな?」と感じたら、脳外科を受診してみてくださいね!」
●神戸大学医学部附属病院 高速神戸駅→徒歩約15分
http://www.hosp.kobe-u.ac.jp/
Q “こわくない頭痛”にはどんなものがあるの?
いわゆる「頭痛持ち」の方は、4人に1人といわれています。多くは片頭痛や緊張性頭痛、ごくまれに群発頭痛の方がいらっしゃいます。“こわくない”とされるのは、病気が原因ではないからです。下の表のようにさまざまな頭痛があるんですよ。
●“こわくない頭痛”抜粋
・片頭痛
[症状]
脳の血管の拡張が原因で、ズキンズキンと痛む拍動性の頭痛。吐き気を伴うことも。専用薬あり。
・緊張性頭痛
[症状]
肩こりなど、肩や首の血管が収縮して起こる頭痛。筋肉痛のような状態で、ギューッとした痛み。
・群発頭痛
[症状]
男性に多く、目がえぐられるような激しい痛み。症例は少ない。
・アイスクリーム頭痛(寒冷頭痛)
[症状]
冷たいものを食べたときに、キーンとこめかみが痛くなる頭痛。
・ウィークエンド頭痛(サンデー頭痛)
[症状]
ふだん睡眠不足の人が週末に寝だめすると起こりやすい、片頭痛の一種。
・アルコール誘発頭痛
[症状]
お酒を飲んだときに現れる頭痛。
Q “こわい頭痛”にはどんなものがあるの?
脳の中に病気があり、それが原因となる頭痛です。特にくも膜下出血や脳動脈の解離が起こると、頭痛の症状が出てからすぐ急変し、命に関わる危険性があるため、早急に頭部CT検査やMRI検査で原因を究明する必要があります。この2つほど緊急ではありませんが、ほかにも髄膜炎や脳腫瘍などによって生じる“こわい頭痛”があります。
●“こわい頭痛”抜粋
・くも膜下出血
[症状]
動脈瘤の破裂により、脳の表面を覆っている「くも膜」の下に出血する。鈍器で殴られたような突然の激しい頭痛があり、ほとんどがその際に意識障害や、時には心肺停止などを起こす。頭全体に痛みがある。
・脳動脈の解離
[症状]
脳動脈の壁が裂けて内部に血液が溜まり、脳に大きなダメージを与えることがある。首の後ろに痛みが出ることが多い。
・髄膜炎
[症状]
脳を守る髄膜がウイルス感染などにより炎症を起こす。激しい頭痛とともに発熱や吐き気などの症状があるため、風邪などと思い込みがち。
・脳腫瘍
[症状]
頭の中の神経細胞や膜、血管などいろいろなところに発生する腫瘍。毎朝、起床時に強い頭痛があったり、吐き気を伴ったりする。
Q “こわい頭痛”の見分け方は?
こわいとされる一番の理由は、命に関わるからです。私も患者さんを診察するときには「急変する可能性があるかどうか」という点に注意して、慎重に対応しています。
こんな症状がでたら病院へ!
・突然のドーンッ!と殴られたような激しい頭痛
・今までに経験したことがない激しい頭痛
すぐに専門の医療機関を受診してください。特に高血圧の方や喫煙者はリスクが高い傾向にあります。
上記2点の症状がない場合でも、「熱がないのに、数日間続いている頭痛」がある場合は、医療機関の受診をおすすめします。
Q 頭痛がおさまったら、安心していいの?
油断は大敵です。上で紹介したような頭痛が起きた場合は、医療機関の受診をおすすめします。くも膜下出血は、頭痛が数日でおさまったとしても、破裂した脳動脈瘤が一時的に止血されているだけで、いつまた破裂するとも限りません。また、脳動脈の解離は、頭痛がおさまっても、解離が進行して病状が急変することもあり得ます。頭部CT検査やMRI検査を行って、これらのこわい病気がないことを確認しておくほうがいいでしょう。
Q どこで受診すればいいの?
脳神経外科を掲げているクリニックであれば、CT装置や、中にはMRI装置を備えているところもあるので、早期の診断が可能です。まずはご近所の脳神経外科クリニックを受診されるのがいいと思います。頭痛が激しかったり、(患者さんの)反応が鈍いなどの症状があれば、救急車を呼んでもいいかもしれません。
~ホッと!HANSHINとは~
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