【教えて!沿線のお医者さん!】「風邪かな?」「もう治った!」油断しがちな”ぜんそく”にご注意!(神戸大学+阪神電車)
誰もが知っている病気ですが、“知っている”と思ってしまっているからこそ、油断は大敵。ぜんそくにかかっていることを自覚しにくいうえ、ちゃんと治療を続けていないと悪化してしまう、実は怖い病気です。特に冬の時季は風邪のせいと思い込みやすいとか。今回は神戸大学医学部附属病院の西村先生に、ぜんそくについて教えてもらいました。
※この記事は、阪神電車の沿線情報紙「ホッと!HANSHIN」2016年12月号に掲載された情報であり、掲載時点の情報となります。また、駅名表記について、記事に特段記載がない限り、阪神電車の駅となります。
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<教えてくれた先生はコチラ!>
神戸大学医学部附属病院 副病院長 呼吸器内科 教授
西村善博先生
神戸大学医学部附属病院 呼吸器センターのセンター長を務める。厚生労働省が推進する、ぜんそくに関する話題を発信する活動「兵庫県喘息死ゼロ作戦」の実行委員。
「長引く咳はぜんそくの兆候かもしれません。大人になって発症する方も増えているので、かかりつけのお医者さんにご相談を!」
■「兵庫県喘息死ゼロ作戦」
http://www.med.kobe-u.ac.jp/asthma/
●神戸大学医学部附属病院 高速神戸駅→徒歩約15分
http://www.hosp.kobe-u.ac.jp/
ぜんそくとは・・・
肺につながる気道が炎症によって収縮して発作(咳・喘鳴など)を起こす病気。昭和35(1960)年ごろは気道狭窄(収縮して狭くなる)が原因とされていたが、平成4(1992)年ごろに、気道の慢性的な炎症が発端になると定義され、炎症を抑える治療法が広まっている。
Q ぜんそくにかかっていることに 気付かない人が増えている?
自覚のない人を含め、ぜんそくにかかっている人は約5%いるとの発表もあり、20人に1人の割合です。ぜんそくは健診などの数値で診断できる訳ではないので、本人の自覚がなければ見落とされがち。「ゼーゼー」「ヒューヒュー」となる症状は分かりやすいのですが、咳(咳ぜんそく)や息切れだけの症状の人もいるため、ご本人がぜんそくを知り、意識しておくことがとても大切です。
Q ぜんそくになる原因は?
「これだ!」と明確にはなっていませんが、発症に関わる要因はタバコやほこり、ダニ、アレルギーなどがあげられます。生活していれば避けられないものも多く、予防はなかなか難しいのです。
ぜんそくで炎症を起こすのは、空気が肺胞に達するまでの通り道(気道)。喉が炎症を起こす風邪などとは患部が異なる。
Q 治療はどんなことをするの?
ぜんそくは慢性的な気道の炎症を抑える治療(吸入ステロイド薬)を行い、発作を出にくくしていきます。しかし、発作が出なくなると、自己判断で治療を止めてしまう人も多く、1年間薬を続ける人は10%ほどしかいないとされています。治療を止めて発作を起こすと、少しずつ重症化する病気なので、継続的な治療がとても大切です。また、発作が起きた場合は、収縮した気道を広げる吸入薬があります。
***話題の温熱療法!ぜんそくの最新治療法***
2015年保険適用となった「気管支サーモプラスティ」は、重度の成人ぜんそく患者に行う、気道を直接温めて炎症を緩和する治療法。気道にカテーテル(管)を挿入し、その先から出る電極によって約65℃で10秒間温めるもの。収縮を繰り返して狭くなった気道が緩和し、炎症を和らげることができる。
~ホッと!HANSHINとは~
グルメやカルチャー、エンターテインメント、観光スポットに関する情報など阪神沿線の様々な「魅力」をぎゅっと紹介する沿線情報紙。阪神電車の各駅や阪急電鉄や近鉄(奈良線)の主要駅などで無料配布しています(毎月25日発行)。
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阪神電気鉄道(株)は、阪神間において安全で質の高い医療の提供に取り組む神戸大学・兵庫医科大学と連携し、沿線住民の健康増進への貢献を通じた沿線の活性化を推進しています。2016年からは、子どもから大人までが健康や医療について楽しく学べる「HANSHIN健康メッセ」を開催しています。
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