【教えて!沿線のお医者さん!】感染力はインフルエンザの約10倍!実は怖い「はしか」は予防が肝心(兵庫医科大学+阪神電車)
2016年9月に関西で発症者が見つかり、話題になった“麻しん(はしか)”。感染がニュースになるほど注目されているのに、どんな経路で感染するのか、どんな症状なのかなど、知らない人が多いのでは?「予防接種は子どもの頃に受けている…と思う」なんて油断は禁物!今回は、兵庫医科大学の服部先生に、はしかについてじっくりと教えてもらいました。
※この記事は、阪神電車の沿線情報紙「ホッと!HANSHIN」2016年11月号に掲載された情報であり、掲載時点の情報となります。また、駅名表記について、記事に特段記載がない限り、阪神電車の駅となります。
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<教えてくれた先生はコチラ>
兵庫医科大学 小児科学教授 医学博士
服部益治先生
TVの情報番組などの出演も多く、「かくれ脱水JOURNAL」では委員長として活躍。
●兵庫医科大学病院 武庫川駅→徒歩約5分
http://www.hosp.hyo-med.ac.jp/
Q はしかってどんな病気なの?
はしかウイルスによって発症する感染症です。図のように、10日ほどの潜伏期間を経て、高熱や咳、鼻水といった風邪に似た症状がでます。その後、耳の後ろ周辺から発疹が現れて全身に広がり、高熱が続きます。はしかには特効薬がないため、症状を抑える薬で回復を待つことになります。
■はしか発症時の経過
Q はしかはどうやって発生するの?
2015年、日本は「麻しんの排除状態」にあるとWHO(世界保健機関)から発表されました。国内のはしかウイルスはほぼ根絶できていて、自然発生はごくまれです。しかし、はしかウイルスが残る国に行った人、海外からの旅行客によってウイルスが運ばれ、日本で発症するケースがあります。
Q はしかはどうしたら感染するの?
はしかは自身の症状が出る前から周囲に感染するため、非常にやっかいです。空気感染や飛沫感染、接触によって感染し、インフルエンザの約10倍もの強力な感染力を持つと言われるほど。市販のマスクでは防げず薬もないため、予防接種は必ず受けておきましょう。
Q はしかにかかりやすいのは子ども?
たしかに、昔は赤ちゃんや子どもがはしかにかかりやすいとされていました。今は就学前に2回の予防接種を呼びかけ、さらに中学・高校時に各1回ずつワクチンを打つため、子どもや若者の発症は少なくなっています。逆に、予防接種が十分でない人など、大人がかかりやすくなってきました。
Q 大人でも予防接種を受けるべき?
もちろんです!特に25~40歳の人は、国内のはしか発症例が減った時期と重なり、1回しか予防接種を受けていない可能性が高い。また、予防接種の免疫は年を追うごとに落ちていきますので、はしかにかかったことがあるか不明の方にもおすすめしたいですね。以前にかかったことがある人はほぼかかりません。
■2015年の年齢群別麻しん累積報告割合数
(国立感染症研究所 2016年1月7日現在)
Q 予防接種はどこで受けられるの?
まずはかかりつけのお医者さんに相談してみてください。価格はだいたい5,000~10,000円ほどです。日本では、年間100名ほどがはしかにかかりますが、2016年は9月時点で115人となり、すでに年間平均を超えています。今後も増える可能性がありますので、予防接種で自衛することが重要です。
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阪神電気鉄道(株)は、阪神間において安全で質の高い医療の提供に取り組む神戸大学・兵庫医科大学と連携し、沿線住民の健康増進への貢献を通じた沿線の活性化を推進しています。2016年からは、子どもから大人までが健康や医療について楽しく学べる「HANSHIN健康メッセ」を開催しています。
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