【教えて!沿線のお医者さん!】食べ物を飲み込みにくくなったら病気のサイン?(尼崎だいもつ病院+阪神電車)
※この記事は、阪神電車の沿線情報紙「ホッと!HANSHIN」2025年11月号に掲載された情報であり、掲載時点の情報となります。また、駅名表記について、記事に特段記載がない限り、阪神電車の駅となります。
「教えて!沿線のお医者さん!」のバックナンバーはこちらからご覧いただけます。
https://healthcare.hankyu-hanshin.co.jp/doctor/
<教えてくれた先生はコチラ>

尼崎だいもつ病院 内科・リハビリテーション科
部長 高田 俊之先生
日本リハビリテーション医学会に所属。脳梗塞や脳の外傷が原因で摂食嚥下(せっしょくえんげ)障害を発症した患者のリハビリ治療や栄養管理に携わり、講演にも取り組む。
『手足が不自由になると病院へ行くように、喉の症状も違和感を覚えたら早めの受診が大切。年齢のせいだから仕方ないと放置せず医師に相談してください。』
<尼崎だいもつ病院>
■アクセス:大物駅▶徒歩約1分
https://amagasakidaimotsu.aijinkai.or.jp/
むせる回数が増えたら病気が隠れているかもしれません。
口から入った食べ物は気管の横を通って食道へ運ばれます。このとき、誤って気管に入らないように「喉頭蓋(こうとうがい)」というヒダが反射的に気管の入口にフタをします。むせるのは、加齢などで反射が鈍くなり、気管に食べ物が入りかけたときにそれを外に押し出す正常な反応です。しかし、むせる回数が増えたと感じるなら、脳梗塞が原因で喉頭蓋の反射が遅れたり、パーキンソン病で喉の感覚が鈍っていたりするなど、ほかの病気が関わっていることがあります。

早めの受診・栄養管理を行いましょう。
食べ物が飲み込みにくくなることを「摂食嚥下障害」といいます。摂食嚥下障害を放置すると、食べられるものが徐々に減り、やがて食事自体が難しくなってしまうことも。また、むせずに飲み込みにくくなる(サイレントアスピレーション)と、食べ物が肺に入り炎症を起こす誤嚥性肺炎を招く危険が高くなり、早期対応が欠かせません。喉頭蓋を動かす筋肉だけを鍛えることは難しいですが、手足を鍛え体力を上げ、並行して飲み込む練習を重ねることで、喉全体の筋力が高まり、飲み込むことがスムーズになります。多くの方はリハビリや食事のトレーニングで改善できますので、早めに医師に相談し機能回復に努めることが大切です。

Q むせるのは年齢のせい?
年を重ねるにつれて、食べたり飲んだりしたときにむせやすくなってきました。老化現象だから仕方ないのでしょうか。
A
加齢で喉頭蓋の反射が徐々に弱まって、むせやすくなりますが、頻繁に起こるのは80代以上の一部の方だけです。ほかの病気が原因のことも多いので、年のせいだと決めつけず医師に相談してください。
Q 検査が不安なのですが…
受診してからの検査が不安です。どのような検査をするのでしょうか? 苦しかったり痛かったりしないか心配です。
A
鼻から細いカメラを入れて、ゼリーや水を飲んで喉の動きを観察する方法や、バリウムを混ぜた食べ物を食べて、レントゲンで嚥下の過程を確認する検査があります。いずれも短時間で済み、身体に大きな負担はありません。
◆摂食嚥下障害の受診目安
どれか1つでも当てはまったら受診をオススメします
□ むせる回数が以前より増えた
□ 好きな食べ物が食べにくくなった
□ 食事のあと声がかすれる
□ 周囲から急に痩せたと言われる
~ホッと!HANSHINとは~
グルメやカルチャー、エンターテインメント、観光スポットに関する情報など阪神沿線の様々な「魅力」をぎゅっと紹介する沿線情報紙。阪神電車の各駅、阪急電鉄や近鉄(奈良線)の主要駅などで無料配布しています(毎月25日発行)。
▶「ホッと!HANSHIN」最新号をWEBでもご覧いただけます。
「ホッと!HANSHIN」デジタル版
阪神電気鉄道(株)は、阪神間において安全で質の高い医療の提供に取り組む神戸大学・兵庫医科大学と連携し、沿線住民の健康増進への貢献を通じた沿線の活性化を推進しています。2016年からは、子どもから大人までが健康や医療について楽しく学べる「HANSHIN健康メッセ」を開催しています。
▶「HANSHIN健康メッセ」WEBサイトはこちら
https://www.kenko-messe.com/


