【教えて!沿線のお医者さん!】痛すぎる生理痛、病院に行ったほうがいい?(千船病院+阪神電車)

つらい生理痛、我慢するしかないと思っていませんか。でも、受診すると治療で楽になることも多く、また、実は痛みの裏に別の病気が隠れていることもあります。婦人科を受診する目安や、子宮内膜症について千船病院の北口智美先生に詳しく伺いました。

※この記事は、阪神電車の沿線情報紙「ホッと!HANSHIN」2025年10月号に掲載された情報であり、掲載時点の情報となります。また、駅名表記について、記事に特段記載がない限り、阪神電車の駅となります。

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<教えてくれた先生はコチラ>

千船病院 産婦人科
医師 北口 智美先生
産婦人科医として、妊娠・出産や婦人科手術まで幅広く診療。生理痛や子宮内膜症など、日常生活や不妊に悩む女性を支える治療にも力を注いでいる。
『生理痛は他人と比べないで、つらいと思ったら我慢せず受診してください。早めに受診していただくほど痛みや不安が緩和され、生活を楽にできることが多いです。』

<千船病院>
■アクセス:阪神なんば線 福駅▶徒歩約1分
https://www.chibune-hsp.jp/


痛くて困っているなら気軽に受診を!

生理痛は、生理中に子宮が収縮することで起こります。多くの方は、鎮痛薬を時々使用する程度で済みますが、常用しなければならない方、日常生活に支障をきたすほど痛みが強い方もいると思います。自分が困っていると感じたら、迷わず婦人科を受診してください。「子宮筋腫」「子宮腺筋症」「子宮内膜症」といった病気が隠れていることがありますし、そういった疾患がない場合も「機能性月経困難症」と診断されれば、治療の対象になります。痛みの治療は、鎮痛薬の調整や漢方の併用、低用量ピルなど、選択肢が複数あり、希望に応じることもできます。

子宮内膜症は不妊につながることも。

子宮内膜症は、子宮内膜に似た組織がなんらかの原因で子宮外に発生・発育してしまう病気です。患者さんの9割に強い生理痛があり、慢性骨盤痛(下腹部痛)や性交痛、排便痛などを伴うこともあります。また、患者さんの半数近くが不妊に悩むといわれ、早期治療介入が望まれます。生理を繰り返すほど悪化するため、治療は生理を抑えるホルモン療法が一般的です。ただし生理を止めると妊娠できないため、妊娠を希望する方には先に妊娠をすすめることもあります。妊娠・授乳期には生理が止まるため進行を抑えられます。年齢や重症度、妊娠の希望などを踏まえて治療方針を決めることが大切です。

Q ピルや内診が不安です…

低用量ピルでの治療や内診に抵抗があり、不安で受診を迷っています。低用量ピルや内診がなくても治療は受けられますか?
 A  
低用量ピル以外の治療薬もあります。また、最初は経腹エコーなどで診察することもできます。特に子宮内膜症は早期に治療を開始することで進行を抑えられることが多いので、まずは受診し、不安は医師に伝えてください。 

Q 婦人科の選び方は?

デリケートな診察なので、どの婦人科に行けばいいのか迷っています。どんな婦人科を選べば安心して治療を受けられますか?
 A 
生理痛や子宮内膜症は閉経まで長く付き合うことになるので、通いやすい場所にあることが大前提。医師との信頼関係も大切なので、受診後、検査や治療方針について気軽に相談できる婦人科を見つけましょう。

◆つらい生理痛、こんな時は病院へ!

□ 毎回痛み止めを使わないと日常を過ごせない
□ 仕事や学校を休むなど日常生活に支障がある
□ 夜用ナプキンが1時間で漏れる/生理が8日以上続く
□ 生理以外にも腹痛・性交痛・排便痛がある

 

 

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