【教えて!沿線のお医者さん!】歯ぎしり・食いしばりの原因とは?(兵庫医科大学+阪神電車)

歯ぎしり・食いしばりは、日本人の約70%が経験しているという報告もありますが、睡眠中に行われることが多いため、自覚している人は少ないようです。原因は一体何なのでしょうか。健康に及ぼす影響や具体的な対策方法も含めて、兵庫医科大学の岸本裕充先生にお話を伺いました。

※この記事は、阪神電車の沿線情報紙「ホッと!HANSHIN」2023年9月号に掲載された情報であり、掲載時点の情報となります。また、駅名表記について、記事に特段記載がない限り、阪神電車の駅となります。

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https://healthcare.hankyu-hanshin.co.jp/doctor/


<教えてくれた先生はコチラ!>

兵庫医科大学 歯科口腔外科学
主任教授 岸本 裕充先生
難しい診療や手術に多く取り組み、特に顎骨壊死(がっこつえし)の権威として活躍。著書に『成果の上がる口腔ケア』(医学書院)など多数。
『歯ぎしり・食いしばりは、歯を失う原因にもなります。まずは、今の歯の状態を歯科医院で診てもらいましょう。』

●兵庫医科大学病院 武庫川駅→徒歩約5分
https://www.hosp.hyo-med.ac.jp


Q 歯ぎしり・食いしばりとは?

歯ぎしりは、寝ている間にギリギリと音を立てて歯を強くすり合わせる行為で、食いしばりは歯を強く噛み締める行為です。どちらも起こるメカニズムは似ていて、無意識に行われるため自分で気づくのが難しく、家族などに指摘されて自覚する人が多いです。かなり強い力がかかるので、あごや頬に負荷がかかります。起床時にあごや頬の筋肉に疲れを感じる人や、エラが大きく張っている人は、歯ぎしり・食いしばりを起こしている可能性が高いです。

Q 身体や歯にどんな影響がある?

歯がすり減るだけでなく、身体にも様々な弊害を引き起こす可能性があります。歯の摩耗が進行すると、うまく噛み切れなくなり、食べづらくなったり、必要以上に力を使って食べ物を噛むようになります。このような状態が長く続くと、歯が割れたりして、抜歯を余儀なくされるかもしれません。また、身体を休めたい睡眠中にもあごの関節、頬や舌に負荷がかかり続けるため、歯ぎしり・食いしばりをする人は、筋肉をリラックスさせる時間がありません。その結果、あごや頬の筋肉だけでなく、首や肩、さらには腰までつながる筋肉にも影響が出てしまい、こりや痛みを引き起こすことがあります。

Q 歯ぎしり・食いしばりの原因は?

一般的に多いのがストレスの影響です。ストレスは精神的なものだけでなく、身体へのストレスも原因になります。起きている時に頭部が傾いていると、あごの位置がずれて、周辺の筋肉バランスが悪くなり、その不快感から睡眠中にあごを動かしてしまうと考えられます。また、寝ている時は、あごが下方に移動し、立っている時との噛み合わせにズレが生じます。噛み合わせは、1mmに満たないようなわずかなズレでも違和感を感じますので、その違和感を解消しようとして、無意識に歯に力を加えている可能性もあります。ほかに、胃食道逆流症が原因の場合もあります。就寝時、強酸性の胃液が逆流すると、中和するために唾液を出そうとして、歯ぎしりをしているケースがあります。また、胃酸によって歯のエナメル質や象牙質が溶け出し、歯の摩耗が進行しやすくなります。

Q 歯を守るための対策方法は?

歯ぎしり・食いしばりによる歯のダメージを防ぐ方法で一般的なのが、マウスピースの使用です。就寝時に着用することで、歯の摩耗を防止することができます。また、筋肉の緊張をやわらげる薬が処方されることもあります。胃食道逆流症が原因の場合は、胃酸を中和させる薬の服用で、歯ぎしりが軽減することもあります。胸焼けや咳などの症状がある場合は、内科などで胃カメラ検査を受けることを検討してみてください。歯ぎしり・食いしばりがあるかどうか分からない人も、歯のすり減りなど状態をチェックすれば分かることが多いです。まずは、歯科医院で診察を受けてみてください。

 

 

 

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