香りのある暮らしのススメ

ー香りでココロとカラダを整えるー

こんにちは。自由に外出しにくくなって早1年が経とうとしていますね。在宅ワークやオンラインでのお買い物・イベントなど、おうち時間が増えた方が多いと思います。おうち時間が増えるとどうしても運動不足になり、カラダも固まりがち。漠然とした不安感はココロの動きも悪くします。加えて冬の寒さでココロとカラダは縮こまりやすい!

こんな時こそ自然のチカラ、香りのチカラをあなたの暮らしに。
古くから人々の心身を癒し元気づけてきた植物の香りは、あなたをちょっとごきげんに導いてくれることでしょう。
香りは嗅いだ瞬間に脳に届き(なんとわずか0.2秒!)、気持ちを前向きにしたり、カラダをゆるめたり、心身のバランスをとる手伝いをしてくれます。ゼラニウムの香りを嗅いで思わず涙したり、ローズマリーを嗅いで目が覚めた、という場面を私はたくさん目にしてきました。
今日は「香りのある暮らし」を気軽にはじめられるアロマ術をすこしご紹介します。

香りを嗅ぐ(芳香浴)からスタート!

① まずは精油(エッセンシャルオイル)を用意しましょう。

精油とは、植物の花や葉、根、樹脂などから抽出した芳香成分です。
植物たちにとって、香りは「生き抜くため」に必要なもの。
種を運んでもらうために虫をおびき寄せる甘い香りを出したり、天敵を遠ざけるために嫌な香りを出したりします。これが私たちにとっては神経をリラックスさせたり筋肉をゆるませたり、有害な菌を除菌したりする効能として活用されているのです。植物の魂とも言える香りのパワフルさは、時に薬として珍重されてきた歴史が証明していますね!最後の1滴まで有り難く使わせてもらいましょう。
精油を使う時の大事なポイントは、好きな香りを使うこと。
香りは嗅いだ瞬間、快不快の情動や睡眠や食欲などの本能を司る脳に届き、自律神経・ホルモン分泌・免疫系をコントロールしている視床下部を刺激します。『好き』と感じる香りは脳のストレスを減らし、あなたをごきげんに導く!だから、使う精油は効果効能よりも好きな香りを優先しましょう♪

② 精油を垂らして香りを楽しみます

精油は揮発性なので、垂らすだけで空気の流れに沿ってじんわり香りが広がります。精油を垂らして楽しむ道具(アロマポマンダーなど)は様々な素材やデザインが売っていますのでお気に入りを探してみて。もっと簡単に使うなら、ティッシュや化粧コットンに数滴垂らすだけでもOK!寝る時に枕の下に精油を垂らしたティッシュを入れておくと、好きな香りに包まれて気持ちよく眠れますので是非お試しを。眠りを誘う香りで有名なのはラベンダーですが、緊張をゆるめるイランイラン、安心感をくれるゼラニウムもオススメ。単品使いもよいですが、これらを数種ブレンドしてオリジナルブレンドを作るのも楽しいですよ。ブレンドといっても、ポマンダーやティッシュ、アロマライトに重ねて数種垂らすだけなので気軽にトライ!

より広範囲に効率よく香らせたい時は、アロマライトや電気式ディフューザーがオススメ。

空気を浄化したいなら、抗菌・抗ウィルス作用が高めの精油を選びましょう。ティートリーやユーカリなどが有名ですが、ローレルやタイムといった台所でおなじみの植物たちも大活躍!特にこの2つはココロをぐっと力強くしてくれる感じがします。森の香りがお好きなら、高山マツは生きるエネルギーをチャージしてくれます。心身がお疲れ気味なら取り入れてみて。
上記の香りが苦手な人はオレンジやベルガモットといった誰からも愛される柑橘系の精油を一緒に焚くとお子様がいる家庭でも喜ばれます。お料理感覚で香りをブレンドしてみてください!

ところで、ちょっと鎖骨の下を押してみてください。

ここに痛みがある人は呼吸が浅くなっているかも。緊張状態が続いている時、ストレスを溜め込んでいる時にもここが硬くなりやすいです。
硬いなと感じた人は、鎖骨下に指先を3本揃えてやさしく円を描くようにほぐしてみましょう。
この時、精油を植物油に希釈したマッサージオイルを用いると滑りがよくなりますし、香りを吸い込みながらマッサージすることでストレスも緩和されます。血流を促す効果のあるローズマリーや月桃などの精油がオススメ。特に月桃はショウガ科なのでカラダを温める効果も期待できますし、鎮静作用も高くストレスケアにもお役立ちです。

マッサージオイルよりも簡単なのが、ロールオンタイプのアロマアイテム。精油を植物油に希釈したものが入っていて、いつでも気軽にサッと支えて便利。ロール部分で凝っている部分をほぐしたり、ツボ押しに利用したりしてもよいですね。ちなみに、写真は「万能のツボ」と呼ばれ、頭痛・肩こり・目の疲れ・ストレスなどに効く「合谷(ごうこく)」のツボ。

鎖骨下や合谷のツボを押して痛みが強かった人は普段からもう少し自分にやさしくしてあげましょう。頑張りすぎかもしれません。痛みや不調はカラダからのメッセージ。好きな香りを嗅ぎながらゆっくり呼吸する時間を取り入れてみてください。一休みすることで、より活力が湧いてくるはず!

香りのチカラを暮らしに取り入れる方法はまだまだあります。まずは、お気に入りの香りに出会うことからスタート。お店でクンクン嗅ぎ比べを楽しんだり、最近ではオンラインで精油を扱っているお店も増えていますので、オンラインで封を開ける時の未知の香りと出会うドキドキ感を楽しんだりしつつ、あなたの味方になるパートナーアロマを探してください。

覚えておきたい精油の正しい使い方
精油は天然だからといって安全というわけではありません。植物が生き延びるために必要なものだからこそとてもパワフル。はじめて使う時は少量からお試しください。
・精油は原液を肌につけない、飲まない、目に入れない ・小さなお子様やペットの近くに置かない(誤飲を防ぐ) ・火器に注意する(精油は引火性あり) ・病気治療中、お年寄り、妊婦の場合は芳香浴のみが安全 ・マッサージオイルなどを肌に使う場合、皮膚の弱い方やはじめて使う方はすこし肌につけて問題ないか確認してから使用しましょう。違和感を感じたらすぐに洗い流してください。
呼吸でストレスケア
マスク生活や、おうち時間が増えて、無意識のうちに「呼吸」が浅くなっていませんか?常に忙しくしている人は緊張状態が続き、“戦う神経”である交感神経が優位になりすぎて“リラックスの神経”である副交感神経とのバランスが乱れてしまいます。そうすると呼吸も浅く短くなりがちです。
息を吐く=副交感神経を刺激し、吸う=交感神経を刺激してくれます。
たまに2-3秒かけてゆっくりと息を吐く。それだけでも副交感神経が刺激されますので是非「一息いれて」くださいね。
呼吸のお供におすすめ精油
鎮静してくれるラベンダーや傷んだ心身を慰めるマジョラム、心を晴れやかにするベルガモットなどを部屋に炊きながらゆっくりと深呼吸。コツは長くゆっくり吐くこと。吸い込む時に好きな香りを身体中に染み渡らせるイメージでやってみましょう。

参考リンク
アロマについて詳しく知りたい方はこちらのサイトがおすすめです >

Profile

笹本英恵Hanae Sasamoto
•オーガニックライフスタイル
プランナー
•調香師

「心をやさしく、肌をうつくしく、体をすこやかに」する生き方を発信。 2008年代々木上原にオーガニックセレクトショップmatsuricaを開店。心肌体を整える知識やアイテムを伝えつつ、独自のセレクトセンスを活かしたイベントやオーガニックジャーニーの企画も行う。香りの専門家として、2013年一般社団法人アロマリーディング協会を設立。「香りで心ケア」の啓蒙活動、香り選びと心身のケアをつなぐアロマアイテムのプロデュースを行う。