笑う門には福来る
私の好きな言葉で、「笑う門には福来る」ということわざがあります。
みなさん、マスク生活で口角下がっていませんか?顔を動かす機会が減ると“たるみ”とかも気になりますよね。新しい年の始まり、口角を上げてハッピーに過ごせるように、今日はボイストレーナー的視点で“口輪筋(こうりんきん)”にアプローチするお話をしたいと思います。
口輪筋とは、唇の周りを囲んでいる筋肉です。動かすことによって副交感神経が優位になり、リラックス効果やストレス軽減に繋がると言われています。
心や体を整えるのに、「表情を動かす」というのはとても大事な “鍵” ということなのですね。
だけど、日本語という言語は、英語に比べ、子音の数が極端に少なく、
約20分の1の “100音” ほどしかありません。その為、口輪筋をあまり使わなくても会話ができてしまうのです。
お喋りが大好きな方や、声を使うお仕事の方でも、
最大限に口輪筋を使うのは難しいのが実情…
それに輪をかけマスクの着用が日常になった昨今。
この冬も自粛ムードで、ついつい表情までもがマスクの中でお篭りがち。
誰にも見られていないとうっかり口角が下がってしまうし、
つまらない冗談へのスマイルもサボりがちになっちゃいますよね(笑)
そうこうしているとほっぺたのお肉がダランとさがってしまいそうで怖いので、
そうなる前に、「意識的」に表情を動かすお手伝いができればなと思い、
楽しく続けられるトレーニング方法をお伝えしていければと思います!
好きな歌を歌いながら、思い切り動かしていきましょう。
まずは凝り固まった口周りの筋肉を解していく準備から!
鏡を見ながらやってみてくださいね。
①基本の姿勢を作ります。
肩幅に足を広げ、重心は少し爪先よりに立ちます。
その時に肩甲骨を少し寄せるようにして脇は閉めて背筋は伸ばしましょう。
- ポイント
- 首が前にでないよう、反り腰にならないように気をつけて!座る場合も同様です!
②大きくて固まりがちな舌の筋肉をほぐします。
舌を思い切り下に向かって突き出しながら声と一緒に5秒間吐き出していきましょう。その時、余裕がある方は視線を思い切り天井に向けて!それを3セット繰り返します。
- ポイント01
- 吐き出すときの呼吸は腹式呼吸がベスト!
下っ腹(お臍の指3本分くらい下)に手をあて、吐く時にお腹が凹み、吸う時は鼻からゆっくりと吸いお腹を膨らませていきます。
- ポイント02
- 目線を天井に上げる時、おでこにシワが寄らないように気をつけて!
③マスクをしていると食いしばりがちな顎周りを緩めていきます。
唇を軽く閉じ、人差し指を口角の下に軽く添えた状態で、
息を吐きながら唇を振動させリップロール※をしていきます。
余裕がある方は一緒に声を出していきましょう!出しやすい音程でかまいません。
- ポイント
- 吐き始めと、吐き終わりの息の量が一定になるように気をつけます。
※リップロール
唇を閉じた状態で息を吐きだし、唇をプルプルと振動させること。
④息と声を連動させていきます。
鼻から息を吸い、思い切り肩を耳に近づけ持ち上げたら、
一気に脱力しながら大きなため息と一緒に声を出していきます。5回繰り返しましょう。
- ポイント
- 汚い声になっていいので、お腹の底から吐き出す感じ。
(個人的見解ですが吐き出すことによって日々の疲れも一緒に吐き出しデトックス効果あり!)
準備はここまで!
あとは好きな歌を選曲して歌ってください。明るい気分の方は明るい曲で、
なんとなく元気が出ない方は、静かで暗めな曲でもOKです!
私は坂本九さんの「上を向いて歩こう」を歌うことにします。
近隣が気になる方は口パクでも構いません。
いつも以上に大げさに口を動かしながら、上手い下手は全く気にせず歌っていきます。
この時、なるべく視線は上に。口角とほっぺたをしっかり持ち上げて!
フルコーラス!最後まで。
どうでしょう。さっきより少し気分が上がっていませんか?
とにかく「楽しく歌う」ということがポイントです!楽しければ自然と口角も上がりますよね。
余談ですが歌を習いに来てくれている生徒さんがある日こんな事を言っていました。
「実は妻に内緒でボイトレに通っていたのですが、最近、明るくなったし、
ほうれい線が薄くなったから何か私に隠しているでしょう?と言われて、
ボイトレの事を白状しました」って(笑)
そんな効果をもたらすと思ってボイストレーニングをしていなかったのですが、
確かに習い始めの頃と比べると、性格も明るく、若若しい印象になっていたので驚きました。
「歌うこと」や「音楽」には本当にいろんな作用があると思っていて、
まだまだ解明されていない部分も多々ありますが、
それを、このコラムで皆さんと一緒に紐解いていきながら、音楽をより身近に感じてもらえたら嬉しいです。
自分の心と体を整えるツールの一つに、「歌うこと」もぜひ加えてみてくださいね。
•ボーカル養成講師
•クリエイティブプランナー
福岡県出身。高等学校の芸能コースにて、歌、作曲、ギター、ダンスなどを学び、卒業と同時に全国デビュー。
4枚のアルバムをリリースし、コーラスや、2016年よりボイストレーナーとしての活動を開始。 音楽を通し「一緒に感情を動かす」という事を得意とし、類稀なる明るい性格で不思議と周囲の人を笑顔にする。 プロ、アマ問わず、総勢100名を超える生徒を受け持ち、“筋肉“に着目した独自のメソッドにも定評がある。