【教えて!沿線のお医者さん!】利点がいっぱい!かかりつけ医を持つことの大切さを知ろう(神戸大学+阪神電車)

近年よく耳にするようになった「かかりつけ医」。一方で、若い方や都市部では、「かかりつけ医を持っていない」という声もよく聞かれます。そこで、神戸大学医学部附属病院の三好園子先生に、かかりつけ医を持つことの大切さや探し方など、詳しく伺いました。

※この記事は、阪神電車の沿線情報紙「ホッと!HANSHIN」2020年8月号に掲載された情報であり、掲載時点の情報となります。また、駅名表記について、記事に特段記載がない限り、阪神電車の駅となります。

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https://healthcare.hankyu-hanshin.co.jp/doctor/


<教えてくれた先生はコチラ!>
神戸大学医学部附属病院 総合内科
医員 三好 園子先生
2010年から神戸大学総合内科に所属。週1回木曜日に外来を担当。診断がつきにくい患者さんを診ることが多く、特に不明熱の診断に携わることが多い。複数の診療科にまたがる複雑な病態の患者さんの診療も行っている。
コメント『かかりつけ医からの情報や過去の治療記録があると、とても助かります。』

●神戸大学医学部附属病院 高速神戸駅→徒歩約15分
https://www.hosp.kobe-u.ac.jp/


Q かかりつけ医とは?

一番自分のことをよく知っていて、病気や健康についてなんでも相談できる診療所※1の医師のことです。病気の治療はもちろん、ワクチンの接種や動脈硬化の予防といった予防医療も行い、高齢者になって介護が必要になると、介護保険の申請や見直しをし、地域の介護士さんやケアマネージャーさん、訪問看護師さんらと連携を取って、日々の介護のコントロールもしてくれます。専門病院での検査や、より高度な医療が必要だと判断した場合や、他の診療科での診察が必要な際に、適切な医療機関を紹介してくれます。その他、往診や最期の看取りまでしてくれる医師もおられます。

※1 医療機関のうち、入院ベッド数が20床以上を「病院」、19床以下を「診療所」という。「診療所」は、病院に分類されないため「◯◯病院」と名乗ることはなく、「診療所」「医院」「クリニック」などの名称を使用する他、「◯◯内科」「◯◯整形外科」と診療科を名乗るところも多い。

Q かかりつけ医の必要性が生じた背景は?

背景として考えられるのは、医療費の節約と医療の効率化です。例えば患者さんが、腰痛があるからと、自身の判断で大きな病院の整形外科に行ったとしても、いろいろ検査をした結果、実は内科疾患だったというケースがあります。かかりつけ医に先に診てもらえば、内科疾患だと診断して、適切な検査ができる病院を紹介してもらえるので、効率が良く、医療費の節約にもつながります。ヨーロッパのように、かかりつけ医の登録制度があり、まずかかりつけ医の診断を受けないと大きな病院での受診が認められていない国や、かかりつけ医は3割負担で受診できるが、いきなり大きな病院で受診すると7割負担になるという国もあります。日本でも、かかりつけ医の紹介状なしで200床以上の大きな病院に行った場合には、初診料が5,000円以上かかります。患者さんにとっても、かかりつけ医を持つことは、医療費や診察時間の節約につながるのです。

Q 紹介状があると病院側にもメリットはある?

紹介状があると、内服薬の情報や既往歴、過去の採血データ、レントゲン、治療の経過などといった患者さんの詳細な情報を、かかりつけ医から受け取ることができる場合が多いので、当院のような大きな病院の医師は、紹介状なく来られた方よりも非常に診断をつけやすくなり、結果、早期発見・早期治療につながります。

Q 大きな病院に、どうしても診てほしい医師がいる場合は?

その旨をかかりつけ医に相談して構いません。ただ、かかりつけ医がその医師宛に紹介状を書いたとしても、病院側の事情で診てほしい医師の予約がなかなか取れず、時間がかかるなどして、結局他の医師に診てもらわなければならなくなる可能性もあります。ですから、本当にその医師がおすすめなのかどうかも含めて相談すると良いでしょう。ご自身で有名な医師を選ぶのもいいですが、かかりつけ医のほうが、お勧めの病院や医師の情報を持っていることが多いのではないかと思います。

【かかりつけ医を持つメリット】
①大きな病院に比べ待ち時間が少ない場合が多く、気軽に受診・相談ができる。
➁精密検査や専門治療、入院が必要な際、適切な病院を紹介してもらえる。
③紹介状を書いてもらうことで、大きな病院で効率良く検査ができ、医療費が節約できる。
④同じ医師に診てもらうことで患者の変化に気付きやすくなり、早期発見につながる。
⑤成人病予防のための食事や運動指導、予防接種など、予防医療にも取り組んでもらえる。
⑥地域の介護医療のプロと連携し、介護の相談に乗ってもらえる。

Q かかりつけ医の探し方は?

自宅や職場からアクセスが便利な診療所から探すのが良いでしょう。複数ある場合は、ホームページの院長のコメントなどを参考に、何でも相談できそうか、予防医療に積極的か、高齢者の方なら往診をされているかという基準で選んではいかがでしょうか。診療科は、まずは内科で探すのがおすすめですが、腰痛や膝痛などで長くかかっている整形外科医がいる場合は、その医師に相談しても良いと思います。内科的な診療もされる整形外科医は多いですし、そうでなければ適切な診療所を紹介してもらえるはずです。逆に、大きな病院から退院する時や、健康診断でひっかかって精密検査を受けたりした時に、主治医の先生や病院の地域医療連携室※2などで、今後診てもらえるかかりつけ医を紹介してもらうこともできます。

※2 地域にある医療機関と連携し、スピーディな受け入れや、退院後に安心して療養生活を送れるように、かかりつけ医に情報提供を行う機関。かかりつけ医や介護サービス機関の紹介にも応じてもらえる。地域医療連携室の他、患者支援センターなど、名称は病院によって異なる。

Q 自分に合ったかかりつけ医を見つけるには?

インターネットのクチコミや家族、友達の話を聞いて、直接行ってみるのが一番いいと思います。病気になった際だけでなく、高血圧や肥満など、既に心配な症状があるなら相談してみて、親身になってもらえそうか話しやすいかどうかを判断してみてください。がん検診などの検診や予防接種を実施されているクリニックなら、雰囲気を確認することも兼ねて、一度受けてみるのもいいかもしれません。

 

 

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