朝5分のリセット習慣 ― 手軽で効果的な“体と心のスイッチ”の入れ方

朝、目が覚めたときに「体が重い」「頭がぼんやりする」と感じるのは、ごく自然なことです。なぜなら起床直後はリラックスをつかさどる副交感神経が優位なため、まだ活動モードに切り替わっていないからです。

この時間帯に大切なのは、日中のパフォーマンスを支える交感神経をゆるやかに活性化させること。

ついスマホを手にして惰性で一日を始めてしまうのではなく、科学的にも効果が実証されている「朝の小さな習慣」を取り入れることで、心身にスイッチを入れることができます。

ここでは、誰でも簡単にできる「朝5分の習慣」をご紹介します。朝にぜひ取り入れて、より充実した一日をスタートさせましょう。

1.ベッドでできるストレッチ

布団から出る前に軽く体を伸ばすことで筋肉の緊張がゆるみ、血流が促進されます。研究によると、ストレッチはエンドルフィン(幸せホルモン)の分泌を促し、気分を前向きにする効果もあります。

ポイントは「気持ちいい」と感じる範囲で伸ばすこと。体の目覚めを助け、頭も少しずつクリアになっていきます。

① 膝を倒すツイスト
両膝を立て、左右に倒します。顔は膝と反対側へ。自然な呼吸を3回繰り返し、背中から腰をじんわりほぐしましょう。

② 片脚ストレッチ
片脚を伸ばし、反対の脚を胸に引き寄せます。呼吸に合わせて無理なく行い、太ももの裏を心地よく伸ばします。

③ 両手・両足をぐーんと伸ばすストレッチ
仰向けで両手を頭上に伸ばし、同時に両足も遠くへ。吸う息で全身をぐーっと伸ばし、吐く息で力を抜きましょう。これを2〜3回繰り返しましょう。

2. 太陽の光を浴びる

ベッドで軽く体を伸ばして起き上がったら、次は太陽の光を浴びてみましょう。

朝の光は体内時計をリセットし、自然に活動モードへと切り替えてくれます

さらに、朝の光は夜の睡眠の質も高めます。朝に光を浴びることで、約14〜16時間後の夜に自然にメラトニン(眠気をつくるホルモン)の分泌が高まって、夜眠りやすくなります。

曇りの日はどうすれば?と思うかもしれませんが、ご安心ください。曇っていても自然光は室内照明よりはるかに強く、体内時計を整えるには十分です。

晴れの日も曇りの日も、窓際やベランダで数分間光を浴びる習慣をつけることで、一日のリズムが安定し、朝は集中力が高まり、夜は快眠につながります。

3. コップ一杯の水を飲む

太陽の光を浴びる時におすすめなのが、コップ一杯の水を飲むことです。

人は眠っている間に呼吸や発汗でコップ1杯(200ml前後)ほどの水分を失っています。
そのため、朝は軽い「脱水状態」になっています。水を飲むことで失われた水分を補い、血液の流れがスムーズになり、体の隅々まで酸素や栄養が行き渡りやすくなります。

また、水を飲む刺激は胃腸を目覚めさせる働きもあります。胃腸が動き出すと交感神経が活性化し、体は自然と活動モードへと切り替わります。

「起きたらまず水」の習慣を取り入れてみましょう。

4. 最後に

朝の5分は、ただの準備時間ではなく、一日の質を大きく左右する「投資の時間」です。

ストレッチで体をほぐし、太陽の光でリズムを整え、コップ一杯の水で内側から目覚めさせる。その小さな積み重ねが、やがて大きな違いとなります。

1日に1%の改善を続けると、1年後には約38倍の成長につながります(1.01倍の365乗)。毎朝たった5分、今日から始められる習慣で、一日をより軽やかにスタートしてみませんか?

 

 

記事の監修元:Upmindについて

東京大学発。主に150万ダウンロード超の国内最大のマインドフルネスアプリUpmindを開発。マインドフルネスが「科学的に効果が実証されている健康習慣」として広く認知され、日常生活に根づくように研究・普及活動を行っています。また、自律神経を整えるためのセルフケア習慣を、科学的エビデンスに基づいて発信しています。

アプリでは、この記事でご紹介したような簡単な習慣をはじめ、日常の中で自律神経の切り替えをサポートする多くのプログラムを体験いただけます。興味のある方は、ぜひお試しください。

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