「本を楽しむ、オンライン読書会」実施レポート(後半)
おうちで気軽に楽しく参加パソコンやスマホを使って、「楽しそう!」からはじまる
健康づくり「パソコン・スマホを使った介護予防教室」。
そのプログラムの一つ、「本を楽しむ、オンライン読書会」の後半5回の様子をご紹介します。
2020年12月17日(木)から毎週1回、3か月にわたって開催された読書会。おススメ本紹介や、テーマに応じた課題図書の発表を通じて交流を深めてきました。後半は初めてのプログラム朗読体験も実施。
[紹介された本]
ゼロから分かる! 図解 歌舞伎入門 (新居典子(著)・世界文化社)
すぐ死ぬんだから(内館牧子(著)・講談社)
日米戦争を起こしたのは誰か ルーズベルトの罪状・フーバー大統領回顧録を論ず(藤井 厳喜/稲村 公望/茂木 弘道(著)・勉誠出版)
さいはての彼女(原田マハ(著)・角川文庫)
国盗り物語(一~四)(司馬遼太郎(著)・新潮文庫)
回想のすすめ(五木寛之(著)・中央公論新社)
コロナ時代を生きるヒント (鎌田 實 (著)・潮出版社)
まずは、「ア」「イ」「ウ」…から始まる五十音すべてに「ナノダ」と「ラレル」の語尾をつける練習から。思った以上に口を動かします。発声に集中しすぎると、川上さんから「笑顔を意識してください~」とコメントも。
たっぷりと発声に時間をかけた後半は、朗読体験。
テキストは芥川龍之介の「蜘蛛の糸」。一度は読んだこともある方が多いのではないでしょうか。アドバイスをいただきながら、一フレーズごとに交代して読み進めていきました。
それぞれの視点に立つことで、物語の読み込み方が異なります。「親」「母」という視点をお持ちの方からは鋭いコメントも。昔読んだことがあるという方からは「今改めて読むといろいろ気づくことがあり面白い」という感想も寄せられました。
発表の際も、「えらい本を読んでしまった」「クエスチョンだらけだった」と語られました。人類がゆるやかに滅びに向かっていくという世界の中で紡がれるお話に、新型コロナウイルスで揺れ動く世の中とリンクするところがあるのではと選書された三皷さん。
「わかりやすい話を読むのも楽しいけれど、「わからないよね」「何が言いたかったんだろう」という体験を共有できることも読書会の醍醐味」と語られました。
ナビゲーターの岡本さんからは他にも、幕末から近代までの歴史上の重要人物を描いた作品を年表とともに紹介いただきました。「教科書で習った歴史も、その人の物語として読むことでリアルに伝わってくる。知的好奇心を満たす新たな読書との向き合い方」を教えていただき、「読書会に参加するまでは、歴史ものを読んでこなかったが、新たな世界に出合えた」という嬉しい声も聞くことができました。
「蜘蛛の糸」は一人ずつ担当するフレーズも長くしたことにより深みを感じられる場面も多く、物語がより伝わってくるようでした。「お祭」は短いフレーズが続き、声をだしていると自然とリズムに乗ってきます。最後に「わっしょいわっしょい」という言葉が続く場面はみんなで力強く大きな声を出して朗読しました!
感染症予防が重要な今、大声を皆で出し合えるオンラインならではの良さを感じました。
読書会についても「普段自分では読まない本との出合いになった」「皆さんの感想を聞くことで本の読み方を知ることができた」と、1冊の本から広がる新たな出会いや楽しみ方を発見された様子でした。
またリアルで会いましょう!と、最後は記念撮影をパチリ!
第六回 1月28日(木)一人1冊おススメの本紹介
読みたい本に迷ったとき、「誰かがおススメしていた本」は有力な候補になります。それが友人、知人だったり自分の知っている人のおススメであればなおさらではないでしょうか。オンライン読書会を通じてなんとなく人となりがわかってきた中、紹介される本はどれも興味深いタイトルばかり。メモを取る姿と、「ぜひ、読んでみます!」という感想が印象的でした。
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第七回 2月4日(木)朗読体験のワークショップ
朗読体験の初回。ナビゲーターは関西芸術座という劇団に所属されている川上律美さんです。演技指導もされている川上さんに、発声練習から教えていただきます。
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第八回 2月11日(木)テーマ別課題本「絵本」【課題本:手ぶくろを買いに】
絵本の2冊目の課題は「手ぶくろを買いに」。2月の寒い時期に読むのにぴったりと、ナビゲーターの「へんこや書房」の村上和也さん、なつきさんが選書。子ぎつねと母きつねの掛け合い、帽子屋の主人と子ぎつねのやり取りからみなさん想像を膨らませられたようで、様々な意見が交わされました。
第九回 2月18日(木)テーマ別課題本「話題本」【課題本:大きな鳥にさらわれないよう】
冒頭のZOOMワンポイントレッスンでは、ブレイクアウトセッションにチャレンジ。短いレクチャーですが、ZOOMを通してできること、機能を体験していただきます。 今回のテーマ本は、1回目のエッセイにくらべ少し抽象的な物語だったので皆さん読み込むのに難航された様子。
第十回 2月25日(木)「歴史本」【課題本:夜明けの雷鳴―医師高松凌雲】
読書会も終盤にさしかかり、ZOOMワンポイントレッスンもどんどん高度に。今日は「ホワイトボード機能」を試しました。PCやスマホを通じて同じ画面に絵を描いてみる機能は、お孫さんとのやり取りなんかにも使っていただけそうです。 「歴史本」の2回目は、前回と時代を変えて幕末の頃のお話。農家の三男として生まれ、近代医療の父と呼ばれるまでになった医師高松凌雲の生涯を描いた作品です。医学に人生をささげた姿に「こんな立派な人がいたのか」と感銘を受けられた方、「久々に骨太な小説を読んだ」という感想も。
第十一回 3月4日(木)朗読体験のワークショップ
朗読体験の2回目。前回と同様に発声練習からスタート「スマイルキープ」を忘れずに、ナビゲーターの川上さんからは「前よりスムーズに発声できてますね!」と嬉しいコメントも。今回は朗読の時間をたっぷりとり、前回途中までで終わった「蜘蛛の糸」を最後まで。さらに「お祭」(北原白秋)の群読も行いました。
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第十二回 3月11日(木)振り返り
最終会は今まで実施してきた3か月・11回の振り返りを行いました。 ZOOMワンポイントレッスンとして体験してきた機能を振り返った他、読書会を通じての新たな発見や、今後オンラインをどう活用していきたいかをお話いただきました。 ZOOM等のオンラインサービスを使えるようになりたいという動機からもご参加いただいていた皆さん。「今まで興味はなかったけどもっと使えるようになりたいと思うようになった」という声や、さらに「使いこなすためにインターネットを活用して調べる方法がわからない」という声に対して、他の参加者さんから「YouTube動画で分かりやすく開設してるものがありますよ」というアドバイスも。
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