「本を楽しむ、オンライン読書会」実施レポート(前半)

おうちで気軽に楽しく参加パソコンやスマホを使って、「楽しそう!」からはじまる 健康づくり「パソコン・スマホを使った介護予防教室」。 そのプログラムの一つ、「本を楽しむ、オンライン読書会」の前半5回の様子をご紹介します。 2020年12月17日(木)から毎週1回、3か月にわたって開催された読書会。おススメ本をお互いに紹介したり、テーマに応じた課題図書について発表を行ったり、絵本の朗読体験も。 オンラインで会うのが初めましての皆さんとも本を介することで打ち解けやすい雰囲気がありました。

第一回 12月17日(木)オリエンテーション&自己紹介

なぜこの教室が行われることになったのか、これから3か月間のプログラムについてガイダンスを行いました。毎週実施ということもあり、「歴史本」「絵本」「話題本」と3つのテーマを分けて課題図書を設定。各テーマに応じて参加者の皆さんを本の世界へと誘う「ナビゲーター」をご紹介。参加者の皆さんにはそれぞれ興味のあるテーマを選んでいただきました。 続いては、自己紹介&お一人1冊おススメの本紹介。「読書会を通じて新たな本に出合うのが好きな方」から「本は好きでよく読むけれど読書会は初めて」という方まで、また「ZOOMを使っての読書会に興味があり、使い方を勉強したい」という動機の方もいらっしゃいました。 外出自粛期間中に再度読み返した本や、半年ほど図書館で予約待ちをしてようやく読めた本などご紹介いただく本は多種多様。それぞれ本を通じて興味のある分野等を感じられ、通常の自己紹介より少しお互いのことを知ることができました。 [紹介された本] ひなた弁当(山本 甲士 (著)・小学館文庫) 蛇行する月 (桜木 紫乃 (著)・双葉文庫) ユダヤ人の発想 (マーヴィン・トケイヤー (著), 加瀬 英明(訳)・徳間文庫) 他力(五木寛之(著)・講談社文庫) 時をかける眼鏡 医学生と、王の死の謎 (椹野道流 (著)・集英社オレンジ文庫) 同調圧力 日本社会はなぜ息苦しいのか (鴻上尚史、 佐藤直樹(著)・講談社現代新書) 老いの重荷は神の賜物(樹木 希林 (著)・集英社) 医者知らず「冷えとり」で完全健康人生 (進藤 義晴(著)・海竜社)

第二回 12月24日(木)テーマ別課題本「絵本」【課題本:十二支のはじまり】

テーマ別課題本「絵本」の初回。ナビゲーターは大阪市内で古本屋「たまや」を経営し、一箱古本市などを通じて絵本との出会いをつくられている『へんこや書房』の村上和也さん、村上なつきさんのお二人です。 もうすぐお正月ということでなじみ深い「十二支のはじまり」が課題図書です。テーマ「絵本」を選ばれた参加者さんの感想発表を受け、へんこや書房のお二人は十二支にまつわるお話を披露。十二支のはじまりという物語は、複数の出版社が発行しており、それらを比較して楽しむという読み方も教えていただきました。 なじみ深い物語ですが描かれ方から解釈は広がります。参加者からは「改めて絵本の楽しみ方を知れました」「お正月に孫と一緒に楽しみます」という声もありました。

第三回 1月7日(木)一人1冊おススメの本紹介

お正月明けは年末年始に読んだ本など、おススメ本の紹介会! プログラム開始の前に、ZOOMワンポイントレッスンがスタート。オンラインでの開催、ZOOM使用に興味を持ってご参加された方も多いので、講座の冒頭を使ってZOOMの機能や使い方を紹介します。今日は、「ギャラリービュー」「スピーカービュー」の切り替えに挑戦。 「しゃべっている人の顔をちゃんと見たい」「参加者みなさんのお顔をみたい」というときに便利な機能です。 一人ずつおススメの本を紹介し、参加者さんからの質問や感想等をシェアいただきます。つい似た本を読んでしまう中、自分では選ばないだろう本との出合いに皆さん興味津々の様子。今回も物語から、歴史もの、現代社会に切り込んだノンフィクションや、生き方指南まで様々な本を紹介いただきました。 [紹介された本] 正妻: 慶喜と美賀子(上・下)(林真理子(著)・講談社 ) 鹿の王(上・下)(上橋菜穂子(著)・ KADOKAWA/角川書店) 日本と台湾(加瀬英明(著)・ 祥伝社新書) 「聖なるあきらめ」が人を成熟させる(鈴木秀子(著)・アスコム) 坂の上の雲(全八巻) (司馬遼太郎(著)・文春文庫) 精霊の守り人(全13巻中1巻) (上橋菜穂子(著)・新潮文庫) 空気が支配する国 (物江 潤 (著)・新潮新書) 老いの重荷は神の賜物(樹木 希林 (著)・集英社)

第四回 1月14日(木)テーマ別課題本「話題本」【課題本:日日是好日】

テーマ別課題本「話題本」の初回。ナビゲーターは、伊丹市で古本屋を営まれている『みつづみ書房』の三皷由希子さんが務めてくださいました。 読書会の前に、今日は「健口体操」に取り組みました。口腔機能の維持だけでなく、顔面の筋肉を動かすことで表情もほぐれます。 堺ゆかりの千利休にちなんで、茶道がテーマの人気エッセイ。映画化した際は、樹木希林さんが出演されたことでも話題になりました。話題本を選ばれていた方は3名だったのですが、なんと全員が読まれていました。花嫁修業として茶道を嗜まれた方もいらっしゃり、本の中で語られるお茶の世界を通じた世界の見え方、人生訓に共感したという感想が寄せられ、時間が足りなくなるほど盛り上がりました。

第五回 1月21日(木)「歴史本」【課題本:大阪侍】

テーマ別課題本「歴史本」の初回。ナビゲーターは、歴史(近代史)が好きで「お江戸カフェ」という江戸時代~幕末を描いた書物を楽しむ読書会を主宰されている岡本康敬さんにお越しいただき、堺市立中央図書館からお送りします。 オンライン読書会への体験会ということで一般の方にもお試しで入っていただく予定にしておりましたが、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から参加者募集を見合わせました。今後の展開に向け、堺市立中央図書館の職員さんがご参加くださいました。 今日のZOOMワンポイントレッスンは、チャット機能を試します。どなたかが発表している最中でも、気軽に質問や補足の情報を伝えられる便利なツールです。 読書会の中でも早速ナビゲーターへの質問が届きました。 大阪の商人・町人をテーマにした短編集。物語とはいえ、司馬遼太郎作品。当時の暮らしぶりや、倫理観を伺い知ることができます。読み込み方も、江戸や京の言葉の使い方に着目される方、米の価格から当時の給料を推察する方などそれぞれ異なります。 読書会中にチャットで届いた質問には、後日岡本さんが丁寧にご回答くださいました。 各回、参加者の皆さんの「語りたい」という気持ちがあふれ、終了時間を超えてしまうこともしばしば。「実際には会ったことのない人同士だけどこうやって話すことができて楽しい」と、オンラインの壁を越え交流が生まれている様子が印象的でした。 後半は、各テーマ別課題本の2冊目と、朗読体験の様子をお伝えします。 お楽しみに!